並行輸入の企業からのFTA原産地証明支援依頼

並行輸入企業からのFTA原産地証明の取得支援のお話しがたまにあります。

今回はベトナムへの輸出。輸入者からの要望です。

並行輸入なので、生産者は協力してくれません。正式ルートのみを支援し、認められない販売ルートは当然支援しません。

ですので、FTAで必要な原産地規則に対する原産性の立証はほぼ無理です。生産者が情報を開示しません。

「材料は資料で分かるので作れるだろう。」と言われるのですが、生産情報が確かでもないのに証明書を作ることは当方は致しません。

現に、日本商工会議所に申請する場合の第三者証明では、証拠書類に生産者の捺印を押してもらうように要請されます。これが出来ないからそもそも無理なのです。

FTAの原産地証明は、商品の正規輸出ルートの健全化にも役に立つのか、と思ったりします。

もっとも、自己証明になってくればその点が怪しくなりますが。

HSコードは、FTAのためにあるんじゃないんだよ。

原産地証明をする際に、CTCで証明をしようと努力します。

簡単なHSコードもあるのですが、「これなに?証明がほぼ無理じゃないか。」というものに出くわすこともあります。

その際には、かなり細かい部材にまで立ち戻り、証明を試みるのですが、それが大変な手間です。

機械でしたら、沢山の部材がそれに当たるので、本当に厄介です。

HSコードの大家の人にそのことを聞くと、「HSコードは、FTAのためにあるんじゃないんだよ。

そうかもしれませんが、もうすこし、HSコード体系を根本から見直して欲しいです。FTAの証明が出来るかどうか以前に、おかしいと思う部分があるので。

とある産業でのFTA原産地宣誓書

今日会った人から、とある産業では輸入者のリクエストに応じて、何のエビデンスもなく原産地の宣誓書を出す例が後を絶たないのだそうだ。

この産業における原産地規則は特に厳しく、そう簡単にエビデンスは作れないはず。

なのに、ポンポン宣誓書が出ている。これは大変やばいのだとその人は言っていた。

逆に、輸入者から「お宅は対応できないの?」と疑われる始末だそう。

自己証明がもたらすいい加減な対応。これが大きなリスクとして返ってくるだろう。

企業のFTAに対する姿勢:日本企業、これでいいの

昨日、とある企業から弊社へ電話を頂戴しました。

「原産地証明の作成支援をお願いしたい。その前に、一つ聞かせてくれ。」

「当社は商品を輸出しているが、商品を仕入れているのみで作っていない。」

「メーカーに聞かず、当社の情報だけで証明した場合、罪に問われるか。」

面倒なのかちゃんとした情報を集めずに原産地証明をしようとする日本企業が多くあります。

証明に必要な情報がきちんとあるのであれば、当然問題はないですが、その場合、日本商工会議所も私の会社も「証拠書類に生産者の捺印をもらってくださいね。」とアドバイスしています。

情報が正しければ、問題なく生産者は捺印するからです。

捺印が出来ないとなると、面倒なのか、やましいところがあるからでしょう。

今、日本商工会議所の多くの事務所は、「捺印をもらってくれ」と指導しています。

しかし、日EUなどで自己証明が進展すれば、捺印をもらう義務がなくなります。証明は企業に委ねられ、証明姿勢がいい加減でも減産としての宣誓は出来てしまいます。

罪に問われるかどうかを考える前に、企業として証明する事への姿勢を考えてほしいものです。

FTA原産地証明におけるリスクとその減らし方

最近、サプライヤ証明のリスクを感じることが多くあります。

依頼する側の認識不足は問題でありますが、サプライヤ証明を行うサプライヤの証明品質に依存するのはリスクが多くあることを痛感します。

FTAへの認識も広がっているとはいえ、残念ながらサプライヤが正しい認識をしているかと言えば、まだまだの状況だと言わざるを得ません。

証明書に捺印をするだけでいい、証拠はいらないという姿勢のサプライヤも少なくないのです。

このサプライヤ証明以外にも、証明上のリスクがいくつか存在します。日EU、TPP11と広がり、今後RCEP、アメリカがやってくると、証明業務量が飛躍的に増えるでしょう。それ以外にも検認数も増えてくるでしょうから、FTAの担当者は休まる暇がありません。海外間FTAの本社対応も仕事になると想像されます。

この環境下で実施すべきは、証明をいかに効率的にかつリスクを減らすかを考えることが肝心だと思い、コンサルティングのメインテーマにしています。特にサプライヤ証明の数を減らすこと、そして、実施する会社とは十分な情報共有を行うことが肝心ですね。

 

なぜFTAの原産地証明が企業に根付かないか

FTAのコンサルティングを行っていて、企業に原産地証明がなかなか根付かないと思っています。

一番の大きな理由は企業の取り組み姿勢にあると思いますが、その次の課題は教える側の教え方にあると思っています。

経済産業省、外務省、財務省(税関)、ジェトロ、商工会議所、EPAデスク、みんな頑張ってわかりやすい説明を心がけているのは事実でしょう。資料も昔に比べて読みやすくなっています。

しかし、根付かない。企業が真剣に取り組んでいないからだといえばそれまでですが、最近特に感じているのは、原産地証明の教え方だと思うようになりました。

学校の勉強も同様ですが、わかりやすさを進めるが故に、なぜそうするべきかということを企業側に理解させていないのです。「こう書きましょう」、「こうしなさい」といったすべきことをわかりやすくは伝えているのですが、その背景にある「なぜそうするべきか」を伝えきっていない。

EPAデスクの対面相談員を担当していますが、「○○にこう言われましたが、よくわかりません。」という質問が最近特に増えています。

企業側は、「これをやれ」ということを丁寧に教えてもらっているのですが、応用が利かず、結果絶えず「どうすればいいのですか。」という疑問しか持っていません。明らかに応え待ちの姿勢で、何がいいのかがわかっていません。

原産地証明で、証明をするにはその背景があります。その背景を伝えれば、何が必要で何が必要でないかが自ずからわかります。その背景なしに「こうしましょう」という指導だからちょっとした変化球に追いつかないのです。

原産地証明のワークショップも増えましたが、例題の限界から、どうしても配布された資料の証明書類への転記で終始します。参加者もそのときは作った気持ちになりますが、気持ちだけで、いざ実際に行おうとするとわからず、戸惑うのです。

「検認にはこれで十分ですか。」という質問をよく受けます。そんなものありません。むしろ、必要なのは「これで原産性は証明できているだろう。なんか問題でも?」という、言い切れる企業による理屈と意思が一番大切です。それがなければ、何でも回答できるように、事細かくすべてのデータを用意する羽目になるのです。

企業がこの姿勢を持つには根本の背景を徹底的に理解させることが必要です。当社ではワークショップの内容を改め、根本の背景を理解してもらうことに努めています。

 

第三者証明における商工会議所での所要時間は長くなっているのか

本日、とある商社から、「商工会議所でのEPA原産地判定の所要時間が長くなっていて困っている。他にも同様の事態は起こっているのか」との電話がありました。

全ての案件において、原産地判定の証拠書類の提出義務がなされてから、判定までにとても長い時間がかかり、2週間では終わらないことが多くなったそうです。

FTA戦略的活用研究会でも判定に時間がかかったかどうかを訪ねたところ、長くなったという声もある一方で、既に1週間以上かかっていたので、現実的にはさほど問題とはなっていないという声も上がっています。

「どういう対策を練るべきですか」との質問を受けましたが、こればっかりは商工会議所の処理のバックオーダーが尋常ではない数になっていることから、「輸出に対し、ゆとりを持って申請をするしかない」と言うことしか当方は言えません。

日本企業の証明の品質問題もさることながら、余りにも細すぎる指摘を商工会議所が行うことも課題だと思っています。

FTAが使いたくてもこの環境では使えなくなりつつある事実。「企業に責任がある」のなら、官庁・商工会議所は不介入とすべきです。

TPP11や日EU EPAでの自己証明による原産地証明書に目が行っている企業が多いですが

TPP11や日EU EPAでの自己証明による原産地証明書に目が行っている企業が多いですが、肝心かなめの原産証明の内容がとても不十分な企業が大変目立ちます。

日EUではインボイスに原産地の宣誓書を書き込む形式です。

分離式でもいいのではないかという日本企業が多く、関心ももっぱらそちらに。

とりあえず証明は後でも、という企業がすくなくありません。

由々しき問題です。

韓国とEUのFTAでは、発効年に60件もの検認が発生しています。

自己証明の便利さゆえに、証明をさぼると大変なことになります。

ロジズティックでは、証明支援や証明が妥当かの監査も行っていますので、さ―ビスをご活用下さい。

日EU・EPAの原産地証明書は・・・

日EU・EPAの原産地証明書は、TPPに引き続き、自己証明とのことです。

いよいよ自己証明が趨勢になりそうですね。

EUは、FTAで検認を行うので有名です。

韓国とEUのFTAでも際だった検認(FTA利用における原産地証明の確からしさを輸入国から確認を要求すること)の数が記録されています。

年間に2800件以上、つまりは営業日当り13件弱の検認が韓国EUでなされています。これが日本になると経済規模からもっと多くの検認がされる事になるでしょう。

検認で「証明が否認」されれば、FTA活用で関税の減免を受けたメリット金額は全て払うことになることは当然として、追加でペナルティを支払うことになります。

日EU・EPAが自己証明となれば、企業側の運営は大変なことになります。原産地証明が正しくても、検認への対応をせねばならないし、もし間違っていたら、とても面倒なことになります。

その準備は今から初めても遅くはありません。

当社では、会社のFTA原産地証明が妥当かどうかの検証をするサービスをしております。

詳しくはこちらにリーフレットがあります。

 

【続】国(経済産業省)からのFTA原産地証明の「検認」(証拠書類の確認)

以前にお話しした、国からのFTA原産地証明の「検認」ですが、続報(かな)です。

原産地証明で、輸出者が証拠書類の間違いを見いだした場合、その原産地証明に記されている他の商品にも確認が入るそうです。

その商品が同意通知されたものであれば、その同意通知発行元にも確認があるとのこと。

また、もう一点。

原産地証明が間違っていた場合、そのことを知った国は相手国への通知義務があります。それゆえに、国からの「検認」はイコール相手国からの検認と同等となります。

お気をつけ下さい。