【日本経済新聞より】「米がTPP復帰検討 トランプ氏、再交渉条件に 」

【日本経済新聞より】「米がTPP復帰検討 トランプ氏、再交渉条件に 」

2018年1月26日

日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26166870W8A120C1000000/

 

ほんとですかね。

アメリカ大統領選挙とTPP

アメリカの大統領選挙で、現在トランプ氏が有利です。

彼が大統領になればTPPはどうなるのか、皆さんは関心(憂慮?)があるかと思います。

TPPにアメリカへの無税での輸出の世界が広がる。ほんとその通りです。

それが、トランプ氏が大統領になることでどうなるか。いろいろなことが起こる可能性があると思います。

まず確実なことは、アメリカの要求で12カ国で署名されたTPPは再度協議にはならないということ。

ひょっとすると、レームダッグ状態ではありますが、トランプ氏の外交の危うさから彼の就任以前にアジアに対する布石となる議会承認を得られる可能性もあります。

ただ、どうなるかをいろいろ考えるのはよしましょう。

一番大事なのは、TPPであれ、ASEANとのEPAであれ、やらなければいけないこと、証明の証拠書類の準備することは変わらないということ。

トランプ氏の影響に一喜一憂するのではなく、TPP以外にも日EU、RCEPなどでも適用可能な原産地証明のプロセスをちゃんと確立することが何より大事です。

日EUは問題なく合意されるでしょう。TPPの結果を見てRCEPの協議のスピードは変わるかも知れませんが、たぶんやってくるでしょう。

それまでに、原産地証明の体制を確実にすることが、今現在も使えるアジアを中心としたFTAの活用においても大事なこととなります。

 

昨日は、中小企業大学校関西校で講師を1日行ってきました

昨日は、中小企業大学校関西校(兵庫・福崎)で講師を1日行ってきました。

テーマはグローバル人材についてで、午後からは私の専門のFTAのお話。

個人的にはグローバル人材という言葉は嫌いで、そんなものは全くないと思っています。むしろそういう曖昧な言葉でまとめて語るから、「グローバル人材」が育たないのだと。

個人的な、他国の人とのコミュニケーションは、共通項と違いを早く理解し、共通項で語りながら、違いを尊重することだと思っています。

話が長くなるので今回はこれまでとして、午後のFTAの講義はいい経験でした。

決して大きくない企業からの人8名でしたが、とても勉強熱心。講義時間が4時間あるので、FTA業務では定番のWorld TariffをID取得から行い、自分たちの商品が他国でどれくらい関税がかかっているかから経験してもらいました。その後に原産地規則を説明、実際にどんな規則かを調べてもらい、「大変だー」といった言葉がでたり、かなり和気藹々と抗議は終わりました。

「知らないことばかり」、「眠たくなる暇なし」と後の懇親会でおっしゃっていただき、東方としてもとてもいい経験が出来ました。

学校のロケーションは、福崎という播州に位置する町です。私はその播州の加古川に小学生までいましたら、とても懐かしい思い出いっぱいでした。

 

ジェトロの新輸出大国エキスパート

ジェトロの新輸出大国エキスパートに選ばれました。

3名の募集(これからの輸出大国化のために、3名は少ないと思いますが)に選ばれたことは光栄です。

特にTPPに関係する案件の相談を担当することになります。

現在、東京共同会計事務所と一緒に行っている経済産業省関連のEPAアドバイザー、中小機構が行っているFTA・EPA・TPPのアドバイザーと国関連が行っているアドバーザー業務はほとんど関係することになったのではないかと思います。

本業のコンサルティング業務の時間とのバランスが気になるところではありますね。

イギリスのTPP参加?インドのTPP参加?

アメリカの政治家の中には、イギリスのTPP参加の可能性に言及する人がいるようです。

面白い発想ですね。あり得なくないと思います。

EUほどのきつい縛りがTPPにたくさんある訳ではありませんし。

もし、可能性が出てくれば、オーストラリア、ニュージーランドも賛同するでしょう。

また、イギリスとのFTAに関する話題で持ちきりのインドも、これを機会にTPPに加盟するかもしれません。(インドの場合、超えねばならない課題も多いでしょうが)

中国銀行で「EPA・TPP活用セミナー」があり、そこで講演をしてきました

昨日(2016年2月24日)に岡山市の中国銀行本店でTPPのセミナーがありました。

セミナータイトル: EPA・TPP活用セミナー

セミナーは13:30~17:00と長丁場で、セミナーの内容も多岐にわたっています。

  • TPP協定の概要について(経済産業省経済連携課 吉村氏)
  • EPA・TPP活用による企業メリットとリスク(私が担当)
  • EPA・TPPの原産地規則・原産地証明と企業経営(中小企業診断士 麻野氏)
  • EPA・TPP活用と海外進出時の国際税務(東京共同会計事務所 八鍬氏)
  • 海外展開支援予算の概要について(中国経済産業局国際課 正岡氏)

参加者は約40名。

この地域は自らが輸出する事の少ない地域とのこと(正岡氏)。そういう意味では少し関心から外れる内容だったかも知れません。

ただ、国内の企業に供給している企業も、その商品が結果として輸出されているケースが少なくありません。

その場合、間接的にしろFTAとの関係は存在し、生産者として、原産地証明の申請をするか、サプライヤー証明を出す必要があるケースもこれまた少なくありませんので、無関心ではいられません。

参加者のなかで、一番前の席に座られ、熱心にメモをとられている方と最後にお話ができました。いろいろと話した中で特に印象的だったのが、「なんで皆さん前に座って聞かないのですかね。」とおっしゃられたこと。

本当にその通り。

時間を使っているのだから、何かを得て変えることは大事なこと。

こういう会社がFTAを活用するとちゃんとできるのですよね。

有名な会社の方でした。いい方が働いていらっしゃいます。

PS

セミナー前に外でスタンバイするのにスターバックスに入りました。

支払いの段で、千円札を出そうとすると、ファスナーに引っかかり、紙幣が真っ二つに。紙幣は丈夫だと思っていたのでびっくり。

中国銀行に入り、セミナー会場の前に本店のカウンターで相談すると、両替が可能でした。

とてもすてきな対応をされ、いい気分でした。いい銀行です。

中国銀行主催セミナー「EPA(経済連携協定)・TPP活用セミナー」で講演をします

中国銀行主催セミナー「EPA(経済連携協定)・TPP活用セミナー」で講演をします。

テーマ: 「EPA・TPP活用による企業メリットとリスク」
日時:   2016年2月24日(水) 13:30~
場所:   中国銀行本店3階大講堂(岡山市北区丸の内1-15-20)

詳細はこちら

昨日の経済産業省入札説明:「TPP原産地証明制度啓発事業」

昨日、経済産業省の入札事業の説明がありました。

「TPP原産地証明制度啓発事業」

予算が(上限)5億円弱と、小さくない事業です。

説明に来られた企業は7社。

実施項目は5つ

  1. TPPの関税、原産地規則の解説書作成(有識者による委員会)
  2. 関税、原産地規則及び証明書の作成支援に関する実務ツール(ウェブサイト)
  3. 専門家の育成
  4. 事業者向けセミナー(150回!以上)
  5. 相談窓口の設置(全国に40箇所以上)

この事業は、TPPのみで今までのEPA(FTA)は対象外です。今後大筋合意がなされると思われる日EU EPAや、RCEP(ASEAN10カ国+6各国)も対象外です。

 

 

 

FTA: 原産地規則とその解釈の難しさ

経済産業省委託事業でEPAアドバイザーをしていますが、いつも悩まされるは、経済産業省や日本商工会議所が記載していることと、企業がそれを解釈することのギャップです。

「生産者」の定義に関して、以前アドバイスをした企業から質問がEPAデスクにあったのですが、「経済産業省のHPと嶋のいうことが違う」というものでした。

設計や品質保証をしているだけでは「生産者」としては認められません。

ただ、企業からすれば「そこまでやっているのだから生産者だろう」という気持ちになります。残念ながら、証明ルール上はそうはならないのです。

ただ、その内容を説明資料の文言から読み解けないことも理解できます。

EPAデスクから丁寧に説明して頂くようお願いしましたが、アドバイザーとして本当に悩ましい。

国はEPA(FTA、TPP)を使え、というのですが、明確な原産地規則を企業がわからない以上、その要望の実現は困難であると思います。これは国のFTA活用推進の大きな課題でしょう。