正直、TPP11や日EU EPAの発効時期が具体的になっても11月中は当社のFTA無料監査の要請は余り増えませんでした。
それが12月に入って、かなり増えました。
やはり、FTA原産判定の業務ボリュームが増えることと、自己証明の対応がまだであること、そして、検認に対する怖さでしょうか。
今からの対応で、2月1日の日EU EPAの発行準備は難しいです。
対応する組織をどうするかが最終的かつ大きな課題で、診断の報告もかなりヘビーなモノになります。
世界で有利に戦うための考え方
EU側が採決をとり、来年2月1日に日EU EPAが発行することとなりました。
いよいよメガFTA到来です。
各企業とも日EU EPAへの対処を苦労している様子です。
具体的な運用が明らかになって以内部分もあることもそうですが、業務量増大(原産判定だけではなく、想定される検認への対応準備)だけではなく、完全自己証明への企業としての対応が出来ていないことなど、社内での組織体制の準備不足がかなり明らかになってきました。
トップマネジメント層が課題を理解すれば、担当部署を決定することはそう難しくはないはずですが、ボトムアップで行っているから、
総論賛成:「FTAの責任部署を置くべき」
各論反対:「うちではないどこかがやるべき」
という答えのない議論を繰り返している企業が多くあります。
「日EU EPAを初期から使うのは諦める」という企業も出始めています。
経営陣が理解すればいいだけなのですが・・・
うちのFTA無料監査を使う手もありますよ。
・結果をマネジメントに報告することで、課題を認識してもらえる
この3日間、セミナーのフォローを兼ねて大阪に来ています。
メガFTAの為に、原産地判定の業務が増えることを懸念し、システム導入を考える企業が増えた気がします。
目的は確かに正しいのですが、間違った解釈に立ってシステム化を進めている気がします。
原産地判定作業の自動化は、オートマチックには行きません。
特にFTA原産地証明のシステム化の主体はVAです。CTCの場合、パーツのHSコードがデータベース化されていないと自動で対応できません。パーツ1つ1つにHSを符番するのはオートでは出来ないのです。
・ 「AIを使ってHSコードが符番できます」という会社がありますが、その精度は?です。
VAの場合、データソースがどうなっているかです。よく、BOMデータを展開してと言います。が、FTAで必要となるBOMと会社が持つ技術・生産系、会計系のBOMはその性格が違うため、単純に通常BOMを使う訳にいかないのです。
証明するに当たっての証明姿勢、商品のまとめ方(可能・不可能も含め)を精査し、そのデータがどこにあるか、妥当なデータかを確認、そして、同データを再構成するかを考えねばなりません。
そういったことが分からない人が、「システム化」を唱えるのです。できあがったモノが使えないことも往々にしてあります。
また、システム化はその性格上「ブラックボックス」化します。検認で計算の根拠を問われた場合、そのシステムロジックに戻らなければ説明がつきません。そういったドキュメントもしっかり用意しないと。「計算したら原産だった」という間抜けな説明になってしまいます。
更に、日本企業の場合、統一的なデータベースにデータが格納されていることはありません。様々なデータベースを使わないといけないし、そのデータベースが相互でどう関連しているかも大きな問題です。
ですので、システム導入で明日からすぐに使えるという迷信は捨て、証明方法の整理から入ることを当社は勧めています。
弊社サイトに、FTAのお役立ちリンク集を作りました。
今まで、役に立つと思われるFTAのリンクを短縮アドレスを使って紹介してきました。主に使っていたのが、bit.lyですが、これが会社からスパム認定され、アクセスが出来ないとのコメントを頂いたからです。
リンク集のサイトは以下となります。
ご活用下さい。
【日経新聞より】 RCEP、年内合意のハードル高く タイはTPPに関心 ASEAN、同床異夢の貿易交渉
2018年4月27日
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29825500V20C18A4FF8000/
16カ国での合意は大変と言うことがよく分かります。
日欧EPA、7月署名 欧州委、最終文書案採択へ
2018年4月13日
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180413&ng=DGKKZO29334160S8A410C1FF2000
来年3月の発行に向けて着実に進んでいます。
3月1日から、日・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)でインドネシアが発効します。
二国間の日・インドネシアEPAが既に発効して時間も経っており、AJCEPを使うメリットはあまりないですが、ようやく発効したことはいいことですね。これでAJCEPとして物品は揃いました。
インドネシアの側の発表は下記になります。
http://www.jdih.kemenkeu.go.id/fullText/2018/18~PMK.010~2018Per.pdf
トルコとのFTA交渉が終結に近づいているようです。
Turkey-Japan FTA negotiations nears end
Daily Sabah
https://www.dailysabah.com/economy/2018/02/03/turkey-japan-fta-negotiations-nears-end
【日本経済新聞より】「米がTPP復帰検討 トランプ氏、再交渉条件に 」
2018年1月26日
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26166870W8A120C1000000/
ほんとですかね。