ATIGAフォームDでのBack-to-Back CO条件(Annex 8 Rule 11)

ATIGA Back-to-Back COの条件は、Annex 8(OCP:Operational Certification Procedures)のRule 11に明示されています 。2020年のOCP改正でRule 11が大幅改訂されており、改正後の内容を条文ベースで整理します 。vntr.moit.gov+1


Rule 11の発給主体と申請要件

中間加盟国(中継国)の発給当局が、輸出者の申請に基づいてBack-to-Back Form Dを発行できます 。「任意規定(may issue)」であるため、発給当局が国内法上の根拠を持たない場合は拒否できる点は変わりません 。fta.miti.gov+1


Rule 11の発給条件(全条件)

条件(a):元Proof of Originの提示

有効な元のProof of Origin(Form DまたはOrigin Declaration)の原本を提示することが必要です 。原本が提示できない場合は**Certified True Copy(認証謄本)での代替が認められます。2020年OCP改正後は、Form Dだけでなく認定輸出者によるOrigin Declaration(自己証明)**も元の証明書として認められるようになりました 。global-scm+2

条件(b):情報の引き継ぎと全欄記載

Back-to-Back Form Dは元のProof of Originと同種の情報を一定程度引き継ぎつつ、全ての欄を完全に記載しなければなりません 。特に以下が明示的に義務付けられています。[vntr.moit.gov]​

  • Box 9:中間加盟国(中継国)のFOB価格を記載する
  • 元のProof of Originの参照番号・発給日を所定欄に明記する
  • 複数の元COを使う場合は全ての参照番号を記載する[global-scm]​

条件(c):部分輸出(分割出荷)時の価格記載

部分輸出(Partial Export Shipments)の場合は、**当該部分輸出分の価格(Partial Export Value)**をBack-to-Back Form Dに反映します 。元COの総額をそのまま転記するのではなく、出荷分に案分した価格を記載する必要があります。[vntr.moit.gov]​

条件(d):数量超過の禁止

Back-to-Back COで発行する数量の累計が元のProof of Originの数量を超えてはなりません 。複数回に分けて発行する場合は、中継国の発給当局が累計数量を管理します。global-scm+1

条件(e):検証(Verification)の適用

Back-to-Back COに対して最終輸入国から検証要請が来た場合、Back-to-Back COを発行した中継国の発給当局にも検証手続きが適用されます 。中継国は元のCOを含むすべての証跡を保管する義務があります。vntr.moit.gov+1


2020年OCP改正による追加要件:コンソリ出荷

2020年のATIGA OCP改正でRule 11(1)・(2)にコンソリデーション出荷のBack-to-Back CO規定が追加されました 。重要な点は以下のとおりです。[miti.gov]​

コンソリ出荷のBack-to-Back COでは、元のProof of Originは1か国の輸出加盟国が発行したものに限る。

つまり、複数の異なるASEAN加盟国から集荷したコンソリ貨物については、元COが複数国から発行されている場合はBack-to-Back COを1通にまとめることができないという制限が設けられています 。[miti.gov]​


認定輸出者(CE)によるBack-to-Back Origin Declaration

ATIGAでは発給当局経由のForm D以外に、認定輸出者(Certified Exporter)がBack-to-Back Origin Declarationを自己作成できる枠組みもあります 。条件はForm Dと基本的に同じで、以下が追加要件となります。[global-scm]​

  • 同一品目について認定輸出者の認定を受けていること
  • 元のProof of Originを保有していること
  • 認定輸出者のコードを記載すること[global-scm]​

ASEAN各FTAの根拠条文の対応表

各協定でBack-to-Back COの根拠条文が異なります 。[customs.gov]​

協定様式根拠条文
ATIGA(AFTA)Form DAnnex 8 OCP Rule 11 [customs.gov]​
AJCEPForm AJChapter 3, Annex 4 OCP Rule 3 [customs.gov]​
ACFTA(ASEAN・中国)Form EAttachment A OCP Rule 12 [customs.gov]​
AKFTA(ASEAN・韓国)Form AKAnnex 3 Appendix 1 OCP Rule 7 [customs.gov]​
AIFTA(ASEAN・インド)Form AIAppendix D OCP Article 11 [customs.gov]​
AANZFTA(ASEAN・豪NZ)Form AANZFirst Protocol Appendix 2B OCP Rule 10 [customs.gov]​

Rule 11の条件を一覧で整理

条件内容根拠
申請者中継国の輸出者または代理人Rule 11柱書き [vntr.moit.gov]​
元COの提示原本またはCertified True CopyRule 11(a) [vntr.moit.gov]​
全欄記載Back-to-Back COの全欄を埋めるRule 11(b) [vntr.moit.gov]​
FOB価格記載Box 9に中継国のFOB価格を記載Rule 11(b) [vntr.moit.gov]​
参照番号記載元COの番号・発給日を所定欄に記載Rule 11(b) [global-scm]​
分割出荷当該分の価格を案分記載Rule 11(c) [vntr.moit.gov]​
数量超過禁止累計発行量が元COの数量以内Rule 11(d) [global-scm]​
コンソリ出荷元COは1か国発行のものに限るRule 11(1)(2) 改正 [miti.gov]​
検証適用中継国にも検証手続きが及ぶRule 11(e) [global-scm]​

Back-to-Back CO拒否時の申告訂正方法

拒否への対処法は**「輸入申告前か後か」で根本的に異なります**。輸入申告後にMFN税率で輸入許可が下りてしまうと選択肢が大幅に狭まるため、申告前の段階での対処が最も重要です 。[customslegaloffice]​


ケース①:輸入申告前に拒否された場合

選択肢が最も豊富で、以下の対応が可能です 。[customslegaloffice]​

対応A:Form Dの訂正・再発給を申請する

記載ミスが原因であれば、元の発給当局に訂正証明書(Corrected Copy)または再発給(Re-issuance)を申請します 。ただし中間国の発給機関との往復に数日〜1週間以上かかるため、貨物の保管料・滞船料との兼ね合いで現実的かどうかを判断します。container119+1

対応B:BP(輸入許可前引取承認)を利用する

日本の税関では貨物の**輸入許可前引取承認(B/P:Before Permission)**を申請することで、原産地証明書の問題が解決するまでの間に貨物を先に引き取ることができます 。COの問題が解決した時点で特恵税率を適用します。実務上最も現実的な対処法の一つです 。[customslegaloffice]​

対応C:MFN税率で通関する(一時措置)

Back-to-Back COの問題解決が間に合わない場合、MFN(最恵国)税率で輸入申告を行い、後から特恵税率への変更(還付申請)を目指す暫定的な方法です 。ただしこの後の扱いは申告後ケースと同じになるため注意が必要です(後述)。[container119]​


ケース②:輸入申告後(MFN税率で許可済み)の場合

日本の関税法上、**「一旦MFN税率で有効に輸入許可された後に、適正なCOを事後取得しても更正は認められない」**という厳格なルールがあります 。これは税関の確定的な扱いであり、CO「後出し」は原則不可です。[customslegaloffice]​

例外:事後適用制度(更正申告)が使える協定の場合

日・ASEAN EPAを含む一部のEPA・FTAでは、輸入申告後一定期間内(通常1年以内)に原産地証明書を提出して特恵税率を事後適用(還付申請)できる制度が設けられています 。ただしこれはBack-to-Back COではなく通常のCOが対象の規定であり、Back-to-Back CO案件で一度否認されたケースに適用できるかは各国の税関判断に依存します。[container119]​


インドネシアの実例:税関裁判による逆転勝訴

インドネシア租税裁判所の判例(PUT.57357/PP/M.IXB/19/2014)が重要な事例を示しています 。[aseanlawobservers.wixsite]​

シンガポールからのプロピレン共重合体のATIGA Form Dについて、インドネシア税関がBox 13(サードカントリー・インボイシング)へのチェックマークが「発給機関のオリジナルではない」として10%のMFN税率を適用。輸入者が不服申立て→シンガポール税関がForm Dの正当性を書面で証明→税関裁判所がATIGA特恵税率0%を認めた。

この事例から得られる教訓は、Form Dの記載ミスと判断された場合でも発給当局による正式な確認書を取得すれば覆せる可能性があるということです 。[aseanlawobservers.wixsite]​


申告段階別の対処フロー

Back-to-Back CO拒否

┌───┴────────────────────────────────┐
申告前 申告後(MFN許可済み)
│ │
├─ A. Form D訂正・再発給 ├─ 原則:更正不可 [web:43]
│ (時間的余裕がある場合) │
├─ B. BP(輸入許可前引取) ├─ 例外①:事後適用制度(協定次第)[web:99]
│ (貨物を先に引き取る) │
├─ C. MFN税率で仮通関 ├─ 例外②:発給当局の正式確認書で
│ →後から還付申請 │ 不服申立て→税関裁判 [web:98]
└─ D. 協定切替(ATIGA↔AJCEP) └─ 例外③:遡及発給COで還付申請
(受入可能な協定へ変更) (発行機関・輸入国の許可要)[web:99]

申告後の不服申立て手続き(最終手段)

MFN税率適用に不服がある場合、各国の関税不服申立て制度(日本では税関長への不服申立→再調査の請求→審査請求→租税裁判)を経る方法があります 。時間・コストがかかるため、インドネシアの判例のように発給当局(Singapore Customs等)から正式な確認書(Certificate of Authenticity)を取得してから申立てると成功率が上がります 。いずれにせよ、拒否リスクを訴訟で解決するコストは非常に大きいため、事前の書類確認と関係者間のドキュメント共有が最大の防衛策となります 。aog-partners+3

ATIGAとAJCEPの第三国経由要件比較

ATIGAとAJCEPはいずれも「原則直送・例外として第三国経由を認める」という構造ですが、要件の細部・証明書類・Back-to-Back COの位置付けに重要な差異があります 。jetro+1


基本構造の比較

要件項目ATIGA(第32条)AJCEP
根拠条文Article 32 Direct ConsignmentAnnex 4 OCP・積送基準条項 [jetro.go]​
直送原則輸出国→輸入国へ直送同左 [jetro.go]​
第三国経由の許容条件①地理的理由または輸送上の必要性、②当該国での貿易・消費なし、③積卸し・保全作業以外の加工なし同左(ほぼ同じ要件) jetro+1
第三国の範囲ASEAN加盟国・非加盟国のいずれも経由可同左 [jetro.go]​
Back-to-Back CO規定Annex 8 Rule 11に明示規定あり規定あり・ただし「各国国内法による」留保付き jetro.go+1
Back-to-Back COの発行体中間締約国の発給機関中間締約国の発給機関(同じ) [jetro.go]​
非締約国(第三国)経由時のBack-to-Back CO非加盟国では発行不可(ASEAN域内のみ)同左 [jetro.go]​

積送基準の証明書類の違い

ATIGA

輸入通関時に以下のいずれかを税関へ提出します 。[jetro.go]​

  • 通し船荷証券(Through B/L)の写し
  • 非加工証明書(第三国において積卸し・保全作業以外が行われていないことを証明)

AJCEP

ATIGA同様、通し船荷証券または非加工証明書が基本ですが、AJCEPでは輸入国税関が「貨物が良好な状態を保つための作業以外を受けていないことを示す証明書・情報」の提出を求め**得る(may require)**という任意規定になっており、実際に何を求めるかは各国に裁量があります 。global-scm+1


Back-to-Back COの要件比較

発行条件ATIGA Annex 8 Rule 11AJCEP
有効な元COの提示原本またはCertified True Copy [jetro.go]​同左 [global-scm]​
Box 9のFOB価格記載中間締約国のFOB価格を記載義務あり同左(分割の場合は分割分の輸出価格を記載)jetro.go+1
分割出荷時の数量管理中間締約国が累計数量の超過防止を管理中間締約国が合計数量の超過防止を管理 jetro.go+1
疑義時の元CO提示最終輸入国が元COの原本提示を要求可同左 [jetro.go]​
検認(Verification)の適用Back-to-Back CO発行国にも適用同左 jetro.go+1
国内法による留保「発行しない国もありうる」と協定文に明記同左(「各締約国の国内法による」) jetro.go+1

最大の実務上の差異:FOB価格の記載義務

ATIGAの2020年修正議定書(OCP改訂)では、Form DのBox 9のFOB価格記載は原則撤廃され、カンボジア・インドネシア・ラオスとの取引でRVC基準を使う場合のみ記載が必要となっています 。しかしBack-to-Back COについては、中間締約国のFOB価格記載が別途義務付けられています 。この点はATIGAの通常のForm Dと異なる記載要件であり、実務上の混乱が生じやすい部分です。[jetro.go]​


協定選択の実務的な判断軸

textATIGAを選ぶ場合
  → 日本を介さないASEAN間の取引
  → 中継国がBack-to-Back COの実績が豊富(シンガポール等)

AJCEPを選ぶ場合
  → 日本が荷主・輸出国として絡む取引
  → Back-to-Back CO受理を最終輸入国が確認済み
  ※インドネシアはAJCEPのBack-to-Back COを拒否した実例あり
    →ATIGAへ切り替えを検討 [web:17]

協定上の要件はほぼ同じでも、最終輸入国が実際にどの協定のBack-to-Back COを受け入れるかは国内法の運用に依存するため、事前確認が最も重要な実務判断となります 。jetro+1

Back-to-Back CO拒否を避けるための一般的対策

Back-to-Back COの否認リスクは、案件設計・書類管理・事前確認・現地運用の四層で対策することで大幅に低減できます 。[global-scm]​


対策①:案件設計段階での事前確認

中継国・最終輸入国の受入可否を文書で取得する

最優先の対策は、中継国の発給当局と最終輸入国の税関の両方に「Back-to-Back COを受理するか」を書面(メール可)で確認し、肯定回答を保存することです 。特にATIGAとAJCEPの両方が使える案件では、どちらの協定のBack-to-Back COが最終輸入国で確実に受理されるかを先に確定させます。tarifflabo+1

通し船荷証券(Through B/L)との選択を検討する

协定上、第三国経由の特恵適用には「Back-to-Back CO」と「通し船荷証券(Through B/L)」の2つの選択肢があります 。Back-to-Back COの発給が困難な中継国を使う場合は、通し船荷証券で対応できないかを先に検討し、発給手続きを省略するルートを模索することも有効です 。[customslegaloffice]​


対策②:書類管理の徹底

元COの原本・認証コピーの多重保管

保管先保管物目的
中継国(輸出者・代理人)元CO原本またはCertified True Copy発給当局への提示・税関の検証要請への対応 [global-scm]​
最終輸入国(輸入者)Back-to-Back COのコピー事後検認(Verification)への対応 [meti.go]​
日本本社(荷主)全ドキュメントのスキャンデータ三国間の証跡統合管理 [global-scm]​

数量残高台帳の案件単位管理

元COに対して複数回Back-to-Back COを発行する場合、元COの数量・Back-to-Back CO累計発行数量・残数量を台帳で一元管理します 。数量超過は発給当局による再調査・特恵否認に直結するため、出荷確定ごとに台帳を更新するフローを社内で義務化することが重要です。[global-scm]​


対策③:期限管理の前倒し設計

元COの発給日

├─ 案件開始時点で「期限表」を作成
│ 元CO有効期限(12か月)
│ Back-to-Back CO発行の社内締切
│ シンガポール等発給処理日数(通常1〜3営業日)
│ 最終輸入国の輸入申告締切

└─ 各マイルストーンに「余裕バッファ(最低2週間)」を設定 [web:8]

期限切れはもっとも防ぎやすい失念ミスですが、複数の元COを使う案件では期限がバラバラになるため、案件単位ではなく元CO単位での期限管理が必要です 。[global-scm]​


対策④:Form Dの記載チェックリスト

発給前に以下を必ずチェックします 。aog-partners+1

  • 元COの参照番号・発給日が正確に転記されている
  • 原産国が中継国ではなく最初の輸出国になっている
  • HSコード・品名・数量がインボイスと完全一致している
  • Back-to-Back COのBox 13(または該当欄)に元COの参照番号が記載されている
  • FOB価格が元COの金額を超えていない(分割の場合は案分値)
  • 発給機関の署名・スタンプが揃っている
  • e-Form Dの場合、ASW上のステータスが「Accepted」になっていることを確認する

対策⑤:協定・中継国の選択によるリスク回避

状況推奨対策
インドネシアが最終輸入国でAJCEPのBack-to-Back COを拒否ATIGAのBack-to-Back COへ切り替えを検討 [jmcti]​
ベトナムが中継国で発給困難中継国をシンガポールに変更、またはThrough B/Lで代替 jetro+1
e-Form Dが不安定な国(ミャンマー等)が絡む紙COを原本取得しておき電子化前提の設計を避ける [miti.gov]​
初めて使う中継国パイロット出荷1件でスモールスタートし発給実績を作る [global-scm]​

対策⑥:社内手順書の整備

実務レベルの対策として最も効果が高いのは、ATIGAのAnnex 8(OCP)とAJCEPのAnnex 4・Implementing Regulationsを一度通読した上で、自社の三国間取引パターン別に社内手順書を作成することです 。手順書には「元CO保管ルール・数量台帳フォーマット・期限管理表・発給機関への事前確認テンプレート」の4点を含めると、担当者が変わっても品質が維持されます 。[global-scm]​

ベトナム以外のASEANにおけるBack-to-Back CO拒否・問題事例

ベトナム以外でも、インドネシアや複数のASEAN加盟国で実態として否認・拒否が発生しており、その多くが協定間の解釈の相違や運用細則の不整備に起因しています 。[jmcti]​


インドネシア:シンガポール発行のAJCEP Back-to-Back COを不受理

最も重大な実例として、インドネシア税関がシンガポール税関発行のAJCEP(日・ASEAN EPA)のBack-to-Back COを認めないという事例が、日本機械輸出組合経由で日本政府へ要望として提出されています 。[jmcti]​

「AJCEPのBACK TO BACK COの適用について各国税関の見解が異なっている。(インドネシア税関ではシンガポール税関発行のBack to Back C/Oを認めないと現地から情報共有があった)」
― 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2023年版報告書[jmcti]​

この問題は「継続」案件として複数年にわたり要望が上がり続けており、ASEAN域内での統一・明確化が求められています 。実務上、日本→インドネシア委託工場→シンガポール経由→ベトナム得意先という三国間貿易でAJCEP Back-to-Back COを使う設計が破綻するリスクがあります。[jmcti]​


ATIGAとAJCEPで生じる二重問題

ATIGAのBack-to-Back COとAJCEPのBack-to-Back COは別の協定の証明書であり、最終輸入国でどちらを受け入れるかも各国の解釈に委ねられています 。インドネシアの件はAJCEPでの否認ですが、協定選択の段階でトラブルが発生する典型例です。tarifflabo+1


国別の主な問題事例

問題の内容対象協定情報源
インドネシアシンガポール発行のBack-to-Back COを不受理AJCEP[jmcti]​
タイサードカントリー・インボイス(三国間インボイス)の否認が頻発ATIGA・AJCEP共通[jmcti]​
マレーシアForm Dの署名者が管理省庁に登録されていない場合、3か月間は新担当者の署名で発行されたForm Dを不受理ATIGA[fta.miti.gov]​
ラオス・カンボジアe-ATIGAが未整備のため、電子Form Dが受理されず書面の提出を追加要求ATIGA[jmcti]​
ミャンマーe-ATIGAのシステム障害で電子Form Dが無効扱いとなり、紙COへの切り替えを強制ATIGA[miti.gov]​
複数国Form DへのFOB価格記載義務撤廃に対応しておらず(インドネシア・ラオス・カンボジア)、Back-to-Back CO申請で追加記載を要求ATIGA[jmcti]​

拒否に共通する根本原因

① 協定間の解釈統一がなされていない

AJCEP規定では各国発給当局が発給するか否かについて「明示的な規定がない」とされており 、ATIGAとAJCEPの双方でBack-to-Back COを認めるかどうかは各国の国内運用に依存しています。日本政府も複数年にわたり「ASEAN域内での統一・明確化」を要望しているものの 、未解決のままです。tarifflabo+1

② e-ATIGAの運用不安定

シンガポール税関の通達によれば、e-Form Dをやり取りする際、①システムダウンによる再申請要求、②電子署名の不認識、③HSコード解釈の不統一、という3つの技術的問題が複数国で継続報告されています 。これがBack-to-Back e-Form Dの場合、元のe-Form Dと新たなBack-to-Back e-Form Dの双方でエラーが発生しうるという二重リスクになります 。global-scm+1

③ 発給当局の原本確認慣行の差

シンガポールはTradeNet経由でほぼ全プロセスを電子化していますが 、インドネシア・タイ・マレーシアの一部では発給当局が書面原本の目視確認を求める慣行が根強く残っています 。Back-to-Back案件では元COの原本管理が特に重要で、これが揃わないと申請が受け付けられないケースがあります 。fta.miti+2


実務上の対応原則

拒否リスクを最小化するためには、中継国・最終輸入国の両方の発給当局および税関へ事前に「Back-to-Back COを受理するか」を文書で確認し、肯定回答を記録に残しておくことが必須です 。特にAJCEP案件ではインドネシアのような否認実例があるため、ATIGAへの協定切り替えが可能かどうかも含めた選択肢の検討が重要です 。tarifflabo+1

シンガポール以外でのBack-to-Back CO申請方法

各国の発給当局・書類・電子化状況がそれぞれ異なるため、中継国ごとの手続きを個別に押さえることが必須です 。[jetro.go]​


国別の発給機関と手続き

マレーシア

**発給機関:通商産業省(MITI)が担当します 。2020年3月18日以降、ATIGAのForm Dは完全電子化(e-Form D)**され、紙COは発行していません 。システム障害時のみ例外的に紙COが認められます。申請はMITIのオンラインポータルへ、元COの参照番号・HSコード・インボイス等を添付して提出します 。declarators+1

タイ

発給機関:商工会議所(Chamber of Commerce)または商務省が担当します 。タイはe-Form Dを導入済みで、ASEAN Single Window(ASW)経由での電子送付が可能です 。ただし紙COも継続発行しており、発給機関窓口への持参申請も受け付けています 。customs+1

インドネシア

発給機関:商業省(Ministry of Trade)地域局が担当します 。申請時は元COの原本または認証コピーの提示が義務で、原産地証明書類の整備が特に厳格とされています 。電子化は進んでいますが、地域局によって対応速度に差があるため、主要港(タンジュンプリオク等)に近い地域局への申請が推奨されます。[declarators.com]​

タイ・マレーシア・インドネシアの共通手順

① 元のForm D(Original / e-Form D)を準備
② 商業省/商工会議所窓口またはオンラインポータルにログイン
③ バックトゥバック専用の申請フォームに記載
(元COの参照番号・発給日・原産国・数量を明記)
④ 輸出インボイス・パッキングリスト・運送状を添付
⑤ 当局の審査(現場確認を含む場合あり)→ Form D発行
⑥ e-Form DはASWで最終輸入国へ電子送付

国別の比較

発給機関電子化状況申請の難易度主な注意点
シンガポールSingapore CustomsTradeNet完全電子化 [customs.gov]​★☆☆(容易)Certificate Type 17選択が必要 [customs.gov]​
マレーシアMITIe-Form D完全移行 [miti.gov]​★★☆(標準)輸出者・品目の詳細情報が多く求められる [declarators.com]​
タイ商工会議所・商務省e-Form D対応・紙も並行 [customs.go]​★★☆(標準)商工会議所経由で申請するケースが多い [declarators.com]​
インドネシア商業省地域局電子化進行中★★★(やや難)原産地証明書類の現物確認あり [declarators.com]​
ベトナム商工省地域機関e-Form D導入済みだが不安定 [jetro.go]​★★★(難)運用細則未整備・年間発給数件程度 [jetro.go]​
カンボジア商工会議所紙中心★★★(やや難)追加書類が必要 [declarators.com]​
ラオス商業省紙中心★★★(難)追加書類必須・処理に時間要 [declarators.com]​
ミャンマー商業省e-Form D技術的問題あり [miti.gov]​★★★(難)ASW接続不安定・紙COで代替 [miti.gov]​

ASEAN Single Window(ASW)の活用

マレーシア・タイ・インドネシア・シンガポール等の主要国はASEAN Single Window(ASW)に接続済みで、e-Form D参照番号を電子交換できます 。Back-to-Back COの元COがこれら国のe-Form Dであれば、中継国はe-Form Dの参照番号を入力するだけで原本確認の大半を完結させられます 。一方でミャンマー・ラオス・カンボジアはASW接続が不安定なため、今でも紙COの原本送付が実質的に必要となるケースが残ります 。miti+2


実務上の共通注意点

協定上Back-to-Back COの発行が認められていても、国内法で発行しないと定めている国も存在し得るため、中継国の税関または発給機関に事前打診することが大前提です 。申請前に「対応可否・必要書類・所要日数」の3点を文書で確認し、特に初めての中継国を使う場合はパイロット出荷で実績を作ることを強く推奨します 。global-scm+1

ベトナムでのBack-to-Back CO実務

ベトナムはASEAN最大級の製造拠点でありながら、Back-to-Back COの発給実績が年数件程度と極めて少なく、運用細則が整備されていないことが実務上の大きな課題となっています 。[jetro.go]​


ベトナムを「中継国」として使う場合

典型的な取引例:タイ→ホーチミン→インドネシア

[タイ工場]
↓ ATIGA Form D を取得して輸出
[ホーチミン市の倉庫(一時保管)]
↓ 加工なし・仕分けのみ
↓ ベトナム発給当局がBack-to-Back Form D発行
[インドネシア通関] ← ATIGA特恵関税を適用

近年、サイゴン港やカイメップ・チーバイ港は東南アジア向けの運賃が他国比で安いため、ベトナム南部の倉庫に東南アジア各国向け在庫をプールしてBack-to-Back COで輸出することを検討する日系企業が増えています 。[jetro.go]​


ベトナム固有の実務上の壁

① 未加工証明書の取得が困難

中継国として最も重要な「貨物が加工されていない証明」について、ベトナムではどの機関が未加工証明書を発行するのかが法規上規定されていません 。現状では発給当局のスタッフが実際に倉庫へ出向き、Form Dに記載されたHS品番・ロット番号・原産地規則を目視で確認してから発給の可否を判断するという属人的な運用になっています 。[jetro.go]​

② ハノイとホーチミンで対応が異なる

ベトナムの発給機関は商工省(MOIT)管轄の地域機関ですが、ハノイとホーチミン市では担当者の経験値・解釈・処理速度が異なります 。ハノイ市当局への確認では年間数件程度の発給実績が報告されており、申請が持ち込まれるたびに担当者が個別判断する状況が続いています 。[jetro.go]​

③ 自己申告制(REX)の未成熟

ATIGAでは認定輸出者がBack-to-Back Origin Declarationを自己作成できる枠組みがありますが、ベトナムでは自己証明制度の整備がまだ途上にあり 、発給機関経由のForm D申請に依存せざるを得ない状況が続いています。[tapchi.hlu.edu]​


ベトナムを「最終輸入国」として使う場合

シンガポール等からBack-to-Back Form Dを持参してベトナムへ輸入する場合は、ベトナム税関総局(GDC)がATIGAの規定に基づきBack-to-Back COを適用可能と公式に認めており 、輸入通関での適用は可能です。ただしベトナムは出荷ごとに政府承認のCOが必要な原則を維持しており、書類審査が厳格な点に注意が必要です 。blog.naver+1

なお、タイ税関は2021年に「ベトナム発行のATIGA電子原産地証明書(e-Form D)に関するトラブル回避ガイドライン」を周知するほど、ベトナムのe-Form D運用の安定性に懸念が示されています 。[jetro.go]​


実務対応チェックリスト(ベトナム中継の場合)

確認事項内容
発給機関の事前打診ホーチミン・ハノイの担当者に申請受付可否と所要日数を事前確認 [jetro.go]​
倉庫の種類輸出加工企業(EPE)以外の倉庫を使う場合、未加工確認の現地訪問を想定 [jetro.go]​
元COの原本管理ベトナム発給当局が現物確認するため、原本または認証コピーを手元に保管 [global-scm]​
協定の選択ATIGAのほか AKFTA・AIFTA・AANZFTA も対象だが、JVEPAではBack-to-Back CO不可 [jetro.go]​
期限管理元COの有効期限内に倉庫入庫・Back-to-Back CO発行・最終輸出まで完了させる計画を立てる [global-scm]​

ベトナムをBack-to-Back COの中継国として使うスキームはコスト面では魅力的ですが、発給機関の属人的対応リスクが高いため、パイロット案件でスモールスタートし、発給当局との関係構築を先行させることが実務上の定石です 。global-scm+1

Back-to-Back COの注意点と拒否事例

Back-to-Back COは通常のCOより管理ポイントが多く、記載ミスや手続き不備が原因で最終輸入国に特恵税率を否認されるリスクがあります 。主要なリスクを以下に整理します。[global-scm]​


よくある拒否・否認事例

① 元COの原本が提示できない

最終輸入国の税関が迂回(tariff circumvention)の疑いを持った場合、元のOriginal COの提示を求められます 。中継国でのBack-to-Back CO発行後に元COを廃棄・紛失していると、特恵適用が否認されます。中継国(シンガポール等)での原本保管体制の構築が必須です 。[global-scm]​

② 分割出荷の累計数量が元COの数量を超過

複数回に分けてBack-to-Back COを発行する際に、合計数量の管理が曖昧なまま発給が続くと元COの数量を超えてしまいます 。これは発給当局・税関ともに重大な違反と判断されます。Excel等で出荷数量の残高管理を行うことが推奨されます 。global-scm+1

③ 有効期限の失念・期限切れ

元COとBack-to-Back COの二重の期限が絡むため、以下のような失念が起きやすいです 。[global-scm]​

  • 元COの有効期限(12か月)を考慮せずにBack-to-Back COを発行してしまい、最終輸入国で「元COが期限切れ」と判断される
  • 複数の元COを束ねた場合、最も期限の短い元COに全体の期限が引きずられることを見落とす(ATIGA)

④ Form Dの記載事項の不備・不一致

以下のような形式的な不備は、それだけで特恵税率の否認につながります 。[aog-partners]​

  • 元COの参照番号・発給日の記載漏れ
  • 原産国の記載が誤っている(中継国を原産国と記載してしまう)
  • Back-to-Back COとインボイスのHSコード・品名・数量の不一致
  • 日付欄・署名欄の記載漏れ

⑤ 中継国での加工行為(実質変更の疑い)

中継国での保管・仕分け・コンソリは許容されますが、包装変更・マーキング・ラベル貼付でさえ「加工」とみなされる国があります 。最終輸入国の税関が「実質的な変更が行われた」と判断すれば否認されます。どこまでの作業が許容されるかは協定・国により異なるため事前確認が必要です 。jetro.go+1

⑥ 中継国での細則不整備による運用拒否

ベトナムなど一部のASEAN諸国では年間数件しか発給実績がなく、発給当局にBack-to-Back COの具体的な運用細則が存在しないケースがあります 。結果として発給機関が申請を受け付けない、または時間がかかりすぎて出荷に間に合わないというトラブルが発生しています。[jetro.go]​


リスクと対応策のまとめ

リスク具体的な問題対応策
元COの紛失税関の疑義照会に応答できない原本を中継国で保管・スキャン保存 [global-scm]​
数量超過累計出荷が元COを超える残高管理台帳をExcelで維持 [global-scm]​
期限切れ元CO・B2B COの期限失念案件開始時に期限表を作成 [global-scm]​
記載不備参照番号・原産国の記載ミス発給前チェックリストを使用 [aog-partners]​
中継国での加工疑義保管作業が「実質変更」とみなされる許容作業の範囲を協定文で事前確認 [tarifflabo]​
発給当局の運用未整備中継国が発給を拒否・遅延中継国当局への事前打診を必須化 [jetro.go]​

特に重要な実務原則

Back-to-Back CO案件は、中継国の発給当局・最終輸入国の税関・最初の輸出者の三者間でのドキュメント管理が核心です 。検証(Verification)が入った場合、Back-to-Back COを発行した中継国にも検証手続きが及ぶことがATIGA規定上明記されており 、輸出者・輸入者の両方が証跡を保全しておく必要があります。[global-scm]​

AFTA(ATIGA)Back-to-Back Form Dの発給手順

ATIGA規定のBack-to-Back Form Dは、中継国の発給当局が輸出者の申請に基づいて発行します 。ここでは中継国をシンガポールとした場合の手順を解説します。[global-scm]​


① 発給の前提条件確認

申請前に以下の全条件を満たしているかを確認します 。customs+1

  • 3カ国(最初の輸出国・シンガポール・最終輸入国)がすべてATIGA締約国(ASEAN加盟国)であること
  • 最初の輸出国が発行した有効なProof of Origin(Form Dまたはe-Form D)が存在すること
  • シンガポールへの輸入が、その元のCOに対応していること
  • シンガポールでの実質的な加工・製造が行われていないこと
  • 再輸出数量が元のCOの数量を超えないこと

② 必要書類の準備

シンガポール税関(Singapore Customs)への申請に必要な書類は以下のとおりです 。customs+1

書類備考
元のForm D(Original CO)原本またはCertified True Copy。ブルネイ・カンボジア・インドネシア・ラオス・マレーシア・ミャンマー・タイ・ベトナムはe-Form Dの参照番号でも可(ASEAN Single Window経由)
輸出許可証(Export Permit)TradeNet経由で申請・添付
輸入許可証(Import Permit)証明書タイプ20・28・32の場合のみ必要
輸出者インボイスシンガポールから最終輸入国向けのもの
Declaration Letter証明書タイプ34の場合のみ必要

③ TradeNetへの申請と証明書タイプの選択

シンガポール税関の電子申告システム「TradeNet」から申請します 。ATIGAのBack-to-Back Form DはCertificate Type 17を選択します 。申請時に輸出許可証と元COの情報を紐付けて添付します。customs+1


④ Back-to-Back Form Dへの記載事項

発行されるBack-to-Back Form Dには、通常のForm Dの記載に加えて、以下を明記する必要があります 。jetro+1

  • 元のCOの参照コード(Reference Number)
  • 元のCOの発給日
  • 原産国(最初の輸出国)
  • 元のCOが原産地申告方式(自己申告)の場合は、認定輸出者(CE)のコード
  • 分割出荷の場合は、各出荷の価額と数量を個別に表示

⑤ 期限管理

Back-to-Back COの発給・活用には二重の期限管理が必要です 。[global-scm]​

元のForm D発給日

├── +12か月以内 ─→ シンガポールからの再輸出(最終輸入国への輸出)

└── Back-to-Back CO発給日

└── +1年以内 ─→ 最終輸入国の税関へCO提出

**有効期限は「元のCOと新たなBack-to-Back COのうち短い方」**が実質的な期限となるため、案件開始時点で期限表を作成して管理することが重要です 。[global-scm]​


⑥ 最終輸入国での特恵申告

Back-to-Back Form Dを受け取った最終輸入国の輸入者が、輸入通関時にForm Dを提示してATIGA特恵関税を申告します 。最終輸入国の税関から疑義が生じた場合、元のOriginal Form Dの提示を求められる場合があるため、中継国(シンガポール)で元COを保管しておくことが推奨されます 。jetro+1

なお、ATIGAのBack-to-Back COは輸出元の国へ再輸出するケース(例:インドネシア→シンガポール→インドネシア)には対応していないため、その場合は輸入国税関への事前確認が必要です 。[ask.gov]​

AFTAにおけるシンガポール経由のBack to Back CO取引例

シンガポールは**ASEAN最大の中継貿易港(トランジットハブ)**として機能しており、AFTA(ATIGA)のBack to Back CO発給件数が突出して多い国です 。以下に代表的な取引例を示します。[jetro.go]​


基本取引例①:インドネシア→シンガポール→ベトナム

[インドネシア工場]
↓ 輸出(ATIGAのForm D 原産品)
[シンガポール倉庫] ← 一時保管のみ・加工なし
↓ Back to Back CO発行(Singapore発給機関)
[ベトナム輸入通関] ← ATIGA特恵関税を適用

ATIGAの典型例です 。インドネシアが発行したOriginal Form Dをシンガポールの発給機関に提示し、シンガポールから**新たなForm D(Back to Back CO)**を発行してもらいます。シンガポールの倉庫内では加工を一切行わず、インドネシアで取得した原産資格がそのまま維持されることが条件です 。tarifflabo+1


基本取引例②:マレーシア→シンガポール(仕分け・分割)→インドネシア・フィリピン

[マレーシア工場]
↓ まとめて輸出(ATIGA Form D)
[シンガポール物流センター]
↓ 仕分け・コンソリ出荷
┌───────────────┐
[インドネシア] [フィリピン]
Back to Back CO Back to Back CO

Original COの数量の範囲内で分割出荷に対応したBack to Back COを複数枚発行できるのが、この制度の実務上の最大のメリットです 。在庫をシンガポールに置いてオーダーに応じて各国へ出荷するスタイルで広く利用されています。[jastpro]​


実務ケース③:日系企業の三国間取引(インドネシア委託工場→シンガポール→ベトナム得意先)

日系企業がインドネシアの委託先工場で生産した製品を、ベトナムの得意先へ三国間貿易で輸出する際、シンガポールでBack to Back COを発行し、ベトナムでATIGA特恵関税を適用するケースが実際に報告されています 。この場合、AJCEPのBack to Back COとATIGAのどちらを使うかの協定選択も重要な実務判断となります。[jmcti]​


シンガポールが選ばれる理由

要因内容
発給実績中継ぎ貿易港として発給件数が突出して多く、当局の経験値が高い [jetro.go]​
手続き効率Singapore Customs(シンガポール税関)が電子申請(TradeNet)でBack to Back CO発行に対応 [customs.gov]​
積送要件税関管理下での保管・仕分けが明確にルール化されている [global-scm]​
協定網ATIGA・AJCEP・RCEP・CPTPP・日シンガポールEPAなど多数の協定に参加しており、柔軟な協定選択が可能 [jastpro]​

手続き上の主な注意点

  • 元のOriginal Form D(またはe-Form D)の**有効期限(発給日から12か月)**内にシンガポールから最終国へ輸出・輸入申告を終える必要があります[global-scm]​
  • シンガポール発行のBack to Back CO自体も新たな有効期限が設定されるため、二段階の期限管理が必要です[global-scm]​
  • 最終輸入国(例:ベトナム)の税関が疑義を持った場合、元のOriginal COの提示を求められることがあるため、原本または認証コピーを保管しておくことが推奨されます[global-scm]​