12月13日にFTA戦略的活用研究会の第98回が行われました:テーマは「検認」メンバー調査でした。
第98回ということで、第100回まで後2回です。
企業が知りたい問題点
今回は、以前に決まったメンバー調査の第1回となります。
メンバー調査の希望を前回募りましたが、以下の様な内容でした
•検認の定期調査
•サプライヤ証明の見直し、頻度、撮り直し
•VAにおけるデータの出所
•判定の見直しの基準(どれくらい前)
•海外現法のFTAコントロールをどうしているか
•FTAのサプライヤ証明、同意通知の契約(T社など)
–責任の所在
–契約書への記述
•TSVによる効率化、有用性
私の希望で調査してもいいのではということで以下の項目も列挙しました。
–HSコードの選定方法
–JCCIのオフィスにおける対応の違い
–RCEPの認定輸出者使っている?
–CTCにおけるグルーピングの考え方
企業からのメンバーへの質問
当日は、企業から一つ意見を聞きたいとの声が上がり、それに関してみなからの意見を募りました。
項目は、「サプライヤからの情報を元にして証明した場合、商工会議所によってその会社の捺印が必要な事がある。そうでない商工会議所もある。ない方がいいのだがどうした方がいいか。」というものでした。
もと商工会議所の方より、経済産業省の原産性を判断するための基本的考え方と
整えるべき保存書類の例示には、下記のようなチェック欄があるのでチェックすればいいとの指摘を頂きました。(最近資料に追加された項目ですね)
チェックをすれば捺印は不要というのが現在の見解です。
昔、商工会議所と議論をしたことがあります。資料の確認と捺印をサプライヤからもらう事は不要ではないかと話をしたところ、「サプライヤからの部材の情報が、証拠書類で指摘をする度に変わっているので、サプライヤの捺印をもらうようにした」とのこと。
私はそれから、必ず資料には企業名の入った捺印をもらうようにしています。言われたからでないです。捺印が押されたことにより、その内容はサプライヤが確認して認めたことになるからです。
捺印をもらう事は面倒ですが、だからといってチェックですませることは業務の手間を減らすことになりますが、責任の所在を明確にすることが出来なくなります。
このようなチェックでは、サプライヤが検認時に「内容が正しいかどうかは知らない」と言われてしまえばそれまででしょう。
証拠書類を作るのは、商工会議所に認めてもらうことが目的でもありますが、最終的には相手国税関の検認に問題なく対処するためのものです。この部分は手間をかけなければ行けない部分だと思います。
特に私のような、アウトソーシング受託で原産証明の証拠書類を作成する身としては、情報源の責任は確実にしておきたいところです。
手間を省きたい気持ちは分かりますが、省いていい部分と省いてはいけない部分があります。経済産業省も、商工会議所もこの点はどちらでもいいのです。相手国から確認が来たときに困るのは企業で、検認が数年後に来ることを考えれば、来たときに証拠書類の内容が正しいことを証明するのは企業ですから
検認調査の結果
研究会では「検認」を定期的に調査しようということになりました。
今回は第1回です。いろいろな情報が集まってきました。やはり検認の数は急激ではないですが増えていますね。特に検認の現状が分からないEU、そしてRCEPです。企業はちゃんと準備をしておいた方がいい。
ここでは、具体的な内容には触れません。お知りになりたかったら、研究会にご参加下さい。
一つ言えるのは、先に述べた話と同じで、企業の原産地証明が、「日本商工会議所」対応に終始しているということ。必要な情報はミニマムで、商工会議所がOKであれば問題なし、自己証明の場合もミニマムで、というスタンスが明らかです。
原産地証明の証拠書類は本来相手税関の検認時にスムーズに対応できるためのものです。ですので、検認が来て資料をバタバタと準備するのはいかがなものかと思います。
この話は長くなりそうなので、別日にまとめて投降しようと思います。