日EU EPAはもちろん日インドCEPAの相談が最近多い

EPA相談デスクのアドバイザーをしています。

最近、日タイや日インドネシア、日ベトナムの相談がまるっきりなくなり、日EU(これは旬なので当たり前ですが)、日インドCEPAの相談が多くなりました。

確かに日インドはCTC&VAの証明で厄介ですが、タイやインドネシアがほとんどないというのも異常です。

証明方法が分かったので相談ニーズがないのかもしれませんが、一体どうしたのでしょうね。

並行輸入の企業からのFTA原産地証明支援依頼

並行輸入企業からのFTA原産地証明の取得支援のお話しがたまにあります。

今回はベトナムへの輸出。輸入者からの要望です。

並行輸入なので、生産者は協力してくれません。正式ルートのみを支援し、認められない販売ルートは当然支援しません。

ですので、FTAで必要な原産地規則に対する原産性の立証はほぼ無理です。生産者が情報を開示しません。

「材料は資料で分かるので作れるだろう。」と言われるのですが、生産情報が確かでもないのに証明書を作ることは当方は致しません。

現に、日本商工会議所に申請する場合の第三者証明では、証拠書類に生産者の捺印を押してもらうように要請されます。これが出来ないからそもそも無理なのです。

FTAの原産地証明は、商品の正規輸出ルートの健全化にも役に立つのか、と思ったりします。

もっとも、自己証明になってくればその点が怪しくなりますが。

昨日、このブログが止まってしまいました。ご迷惑をおかけしました。

昨日、ほぼ1日の間、このブログが停止してしまいました。

現在は復旧しました。お騒がせしました。

理由は、このブログのソフト「WordPress」のプラグインが悪さをして、アクセスが出来ないのが理由。理由を紐解くのに1日かかりました。

以下は苦労した対策です。

動かなくなった理由は、

  • PHPのバージョンが古かった
  • それにもかかわらず、古いPHPバージョンでは動かないプラグインが自動的に更新
  • サイトにアクセス出来なくなった

対策は、

  • FTPで悪さするプラグインを特定
  • FTPでプラグインのファイルをバックアップの後に削除
  • PHPのバージョンを最新のものにする

となります。無事に立ち上がったことを確認して、プラグインを再インストールしました。

 

 

昨日、Global Edge Forumのセミナーを大阪で開催しました。

昨日、Global Edge Forumのセミナーを大阪で開催しました。

テーマは、「TPPと日EU EPAから見えてきた日本企業の課題

日EU EPAの発効5か月ほどたち、自己証明の中での企業の実情がわかってきました。その中での対策に関してお話ししました。

論点は2つあります。

  • 原産地証明技術
  • サプライヤ証明への対処方法

実際のプロジェクトで見えてきたところをお話ししました。

多くの方にご参加いただき、ありがとうございました。

大阪では2~3か月後にもセミナーをしようと、共同開催の日立ソリューションズさんとはお話をしていますので、お楽しみに。

FTAの検認保険は可能か

様々なところで、FTAの検認に対する保険は可能かという議論をさせて頂いています。

検認時に、否認された場合、保険金やペナルティを支払ってもらう保険が想定されるものです。

そもそもリスクがあるのか、正しい証明をすれば要らない、という観点に立てば保険が成立する可能性も現実ないきもしますが、現状の原産地証明の支援環境を考えると、経営としてはあると助かる部分でもあります。

保険として成立しないと考えるのは、やはり、検認確率が明確に出来ないこと。特に官庁は検認の発生に関する情報をほとんど開示していません。

保険は「大数の法則」に基づくもの。その根拠となるデータが開示されない限り、保険の商品化は難しいでしょう。協定によりその発生率も違うのは保険の成立を阻むもので、成立するとしても協定別の掛け率となると思われます。

また、自動車と同じで、証明する企業、人により証明の精度が違うため、自動車保険の「等級」の様なものが必要でしょうし、生命保険時の「問診」のような、証明能力の査定も必要となると思われます。

現実味が少々薄い保険ですが、「出来るとすればどうやればいいか」を検討することも決してムダではないので、出来れば次回のFTA戦略的活用研究会で少しでも討議したいと思っています。

企業のFTAに対する姿勢:日本企業、これでいいの

昨日、とある企業から弊社へ電話を頂戴しました。

「原産地証明の作成支援をお願いしたい。その前に、一つ聞かせてくれ。」

「当社は商品を輸出しているが、商品を仕入れているのみで作っていない。」

「メーカーに聞かず、当社の情報だけで証明した場合、罪に問われるか。」

面倒なのかちゃんとした情報を集めずに原産地証明をしようとする日本企業が多くあります。

証明に必要な情報がきちんとあるのであれば、当然問題はないですが、その場合、日本商工会議所も私の会社も「証拠書類に生産者の捺印をもらってくださいね。」とアドバイスしています。

情報が正しければ、問題なく生産者は捺印するからです。

捺印が出来ないとなると、面倒なのか、やましいところがあるからでしょう。

今、日本商工会議所の多くの事務所は、「捺印をもらってくれ」と指導しています。

しかし、日EUなどで自己証明が進展すれば、捺印をもらう義務がなくなります。証明は企業に委ねられ、証明姿勢がいい加減でも減産としての宣誓は出来てしまいます。

罪に問われるかどうかを考える前に、企業として証明する事への姿勢を考えてほしいものです。

第28回GEFセミナー「TPPと日EU EPAから見えてきた日本企業の課題」を大阪で開催します

GEFとして2月以降久しぶりのセミナーです。

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TPP11、日EUが発効し、4か月以上が経ちました。

FTAに対しての関心が高まり、活用が進む一方、新たな課題も表面化してきました。

Global Edge Forumでは,’TPPと日EU EPAから見えてきた日本企業の課題’と題してセミナーを大阪にて行います.

今回は日立ソリューションズ株式会社と共同でのセミナーとなります。

一般のセミナーでは語られることのない、FTA活用でのポイントをお話しすることで、きっと皆様のお役に立つと思っております。

      記

日時: 2019年6月24日(月) 14:00~17:00

場所: 大阪(大阪市北区堂島浜一丁目2番1号 新ダイビル)
・今回はLive配信はございません

講演: 「TPPと日EU EPAから見えてきた日本企業の課題
・株式会社ロジスティック 代表取締役 嶋 正和
FTAソリューションについて
・株式会社日立ソリューションズ

費用:  無料

詳細、申し込みはこちらから

FTA原産地証明におけるリスクとその減らし方

最近、サプライヤ証明のリスクを感じることが多くあります。

依頼する側の認識不足は問題でありますが、サプライヤ証明を行うサプライヤの証明品質に依存するのはリスクが多くあることを痛感します。

FTAへの認識も広がっているとはいえ、残念ながらサプライヤが正しい認識をしているかと言えば、まだまだの状況だと言わざるを得ません。

証明書に捺印をするだけでいい、証拠はいらないという姿勢のサプライヤも少なくないのです。

このサプライヤ証明以外にも、証明上のリスクがいくつか存在します。日EU、TPP11と広がり、今後RCEP、アメリカがやってくると、証明業務量が飛躍的に増えるでしょう。それ以外にも検認数も増えてくるでしょうから、FTAの担当者は休まる暇がありません。海外間FTAの本社対応も仕事になると想像されます。

この環境下で実施すべきは、証明をいかに効率的にかつリスクを減らすかを考えることが肝心だと思い、コンサルティングのメインテーマにしています。特にサプライヤ証明の数を減らすこと、そして、実施する会社とは十分な情報共有を行うことが肝心ですね。

 

なぜFTAの原産地証明が企業に根付かないか

FTAのコンサルティングを行っていて、企業に原産地証明がなかなか根付かないと思っています。

一番の大きな理由は企業の取り組み姿勢にあると思いますが、その次の課題は教える側の教え方にあると思っています。

経済産業省、外務省、財務省(税関)、ジェトロ、商工会議所、EPAデスク、みんな頑張ってわかりやすい説明を心がけているのは事実でしょう。資料も昔に比べて読みやすくなっています。

しかし、根付かない。企業が真剣に取り組んでいないからだといえばそれまでですが、最近特に感じているのは、原産地証明の教え方だと思うようになりました。

学校の勉強も同様ですが、わかりやすさを進めるが故に、なぜそうするべきかということを企業側に理解させていないのです。「こう書きましょう」、「こうしなさい」といったすべきことをわかりやすくは伝えているのですが、その背景にある「なぜそうするべきか」を伝えきっていない。

EPAデスクの対面相談員を担当していますが、「○○にこう言われましたが、よくわかりません。」という質問が最近特に増えています。

企業側は、「これをやれ」ということを丁寧に教えてもらっているのですが、応用が利かず、結果絶えず「どうすればいいのですか。」という疑問しか持っていません。明らかに応え待ちの姿勢で、何がいいのかがわかっていません。

原産地証明で、証明をするにはその背景があります。その背景を伝えれば、何が必要で何が必要でないかが自ずからわかります。その背景なしに「こうしましょう」という指導だからちょっとした変化球に追いつかないのです。

原産地証明のワークショップも増えましたが、例題の限界から、どうしても配布された資料の証明書類への転記で終始します。参加者もそのときは作った気持ちになりますが、気持ちだけで、いざ実際に行おうとするとわからず、戸惑うのです。

「検認にはこれで十分ですか。」という質問をよく受けます。そんなものありません。むしろ、必要なのは「これで原産性は証明できているだろう。なんか問題でも?」という、言い切れる企業による理屈と意思が一番大切です。それがなければ、何でも回答できるように、事細かくすべてのデータを用意する羽目になるのです。

企業がこの姿勢を持つには根本の背景を徹底的に理解させることが必要です。当社ではワークショップの内容を改め、根本の背景を理解してもらうことに努めています。

 

FTA対応が常態化する前の対策

日EU EPAの利用もいよいよ本格化してきました。

後に控えるRCEPや日米貿易交渉の結果で、更に米中が日本とのFTAもしくはそれに準じる協定を結べば、日本の貿易金額上で、80%はFTA関連国への輸出となります。

FTAにおける原産地証明の業務はその検認対策と相まって業務量が飛躍的に増大することになりそうです。

顧客との対策プロジェクトが複数本格的に立ち上がりました。

いかにして増大する業務量に効率的に対処し、かつコンプライアンスを維持するか。

会社の経営陣も理解を示していますので、とてもエキサイティングなプロジェクトになりそうです。