Googleの検索エンジンとAIエージェント

今日、なにげにYouTubeを見ていましたら、HubSpotの代表が話をしていらっしゃいました。

Googleの検索結果は60%リンクはクリックされないとのこと。

AIエージェントが探してきて、結果まで表現してくれるのでクリックする必要がないとのこと。Google広告が意味をなさないことを言っています。Googleもその現状に危機感を持っていて、早急なシフトを行っていてその一つがAIだそうです。

今まで、少なくない金額をGoogle広告に出していました。

今後は意味が薄くなるのは明らかです。

またSEO(Search Engine Optimization)が大事だったのですが、今後はAIOだそうです。

ホームページだけではなく、マルチのSMSを使って、総合的なマーケティングAIエンジンに情報を拾ってもらうように対応するべきだと、代表はおっしゃっていました。

難しい時代ですね。

FTA-BPOチームのHSコード専門家でも悩む事象

弊社が行っているサービスでFTAーBPOではHSコード符番の正しさは、大きな売りのポイントでもあります。

その品質を支えてくれるHSコードの専門家は元税関でHSコードを長年担当してこらえた人々で私は絶大な信頼を寄せています。

そういった人でもHSコード符番に悩むことがあります。

HSコードの符番方法には基本的なプロセスがありますが、大事な要素には類注を読み解いて符番をすることがあります。

問題はその類注の日本語が分かりにくいこと。もともと日本語は構造的な言語ではないので、言葉のかかり具合が分かりにくいのです。

その際にはこの注を作り出したオリジナルの文章である英語を読むことになります。それにより内容の正確さをつかみ取り、HSコード符番を行うのです。

その英語でも分かりにくい場合が発生します。そうなると解釈の問題にもなります。

更に問題を悪くするのはオリジナルの文章がHSコードの後半の章ではフランス語だったりするのです。そうなると原点に立ち返っても読むことが難しくなります。

昨今は翻訳ツールも発展していますが、正しく翻訳できているかわからない事もあります。

そういったところで悩んでしまうのです。

こういう問題がありますから、AIを活用したHSコード符番ツールが正しいかどうかは、最終的には人間の判断が必要になる気がしています。

トランプ関税に気を取られて

トランプ関税に右往左往させられている企業は多いですが、その一方で静かにサプライチェーンの変更が進んでいます。

アメリカ行きの荷物をカナダに切り替える動きですね。

事前に察知していたからか、バタバタという感はほとんどなく、動いています。

インド、オーストラリア、ブラジル、韓国など。日本も動いています。

アメリカに依存しない貿易秩序、こちらも見ておく必要がありそうです。

FTAの企業活用の流れ:日インドCEPA

昨今の企業のお仕事要望のほとんどが日インドCEPAの活用です。

トランプ関税の影響からか、他市場への販売の拡大を目指す企業が多いこと。インド企業からの日インドCEPAの利用を条件とした取引が多くなっていることが挙げられます。

前回のFTA戦略的活用研究会でも、インド向けの船の需要が大きくなっている印象を語っておられたメンバー様もいらっしゃいました。

ご存じの通り、日インドCEPAはCTCとVAの双方で証明をせねばならず、決して楽ではありません。

特にサプライヤ証明が必要な場合はそのサプライヤでもCTC+VAが必須となりますので、単独では、サプライヤの企業が難色を示すことが多く、当社のような第三者が間に入るとかえって有効に証明が出来ることが多いです。

トランプ関税は企業の経営陣の判断力、意思決定力を問うています

FTA戦略的活用研究会の東京と大阪でメンバーと情報と意見交換を1度つづ行いました。

ご存じの通り、まだはっきりしていない状況です。

ジェトロのセミナーやその他企業の情報を収集している会社がほとんどでしょう。

担当者は煩雑な情報をできるだけ整理して、可能性のあるオプションを提示するために日々努力されています。確たるものが出ているわけではないので当然です。

問題は、この状況で部下から提示される情報と可能性のあるオプションを理解し、どうするのがベストかを経営陣に問うているのだと感じています。情報の咀嚼力、洞察力、そして結論を出して行動する判断力が経営陣に問われているのです。

確たるものが現れてから判断するという状況ではありません。不確かなものをより確かなものに煮詰めて経営の意思決定を行う。経営者の仕事といえばそれまでですが、今までにない大役であろうと考えています。

当方もアメリカの大統領選挙前から相談を受けて、意思決定のためのオプション考察、リスクの低減、判断の支援を行ってきました。

誰もが確かな答えを知らない中、経営者の力量が問われています。

必要であれば、最大限の知恵を働かせるお手伝いをいたします。

GoogleのAIの回答が間違っていて、びっくりした

原産地証明の証拠書類を作成しているときに、ふと「日本インドネシアEPAのHSコードの年次は何年だったっけ」と思い、Google先生に聞いてみた。

すると

一瞬焦った。最近インドネシアEPAが多かったので2017と思っていたので確認をしたかった。

2002だと・・・

目を疑った。今までまちがっていた?でも商工会議所からは何も言われていないし。

信頼している税関さんのサイトで確認

やっぱり2017。よかった。

皆さん。AIを信じ切るのはやめましょう。

FTAの原産地証明、対応が間違っていませんか?

最近のFTA戦略的活用研究会でのやりとり、相談事を考えると違うのではないかと思うことが多くあります。現段階での私見を下記に書きますので、参考になればうれしいです。

FTAで輸入側での関税が減免される(可能性がある)ことがメリットですよね。それは、FTAがあれば何でも関税の減免が得られるということではなく、FTAの協定で定められた原産地規則を満たしている事で、その恩典が受けられるということです。

FTAを活用することで下がるコスト

輸入時の関税を減免する恩恵は輸入者に与えられますが、その条件がFTAの原産地規則に則って輸出側が原産地証明を行う事で得られる恩典です。そして一番大事なところですが、損をするのは関税が得られない輸入国です。

輸入国は何でもかんでも輸入したものの関税を減免することは避けたい。ですので、輸入品の原産性を確認する権利が与えられています。それを「検認」と言います。

FTA毎にその協定での原産地規則が決まっています。大筋は決まっているのですが、細部では違っていることが厄介です。

一般的な原産地規則は、以下の通りです。このスライドはかなり昔から使っているのですが、皆さんのご理解が進んでいない印象があります。伝える私の責任であります。

この3つを満たすことが、FTAでは必要となってきます。2は協定毎に地少し違っていることには気をつける必要があります。

これだと何を準備するのかわかりにくいので、私は作るべき資料を以下の様に示しています

赤枠の資料を、原産地規則に従って作成し、それを証拠書類としています。

後気をつけるのは、先に述べたFTAの違いで原産地規則の表記が違うため、対象の競艇を確認すべきです。原産地規則の章はさほどページは多くありません。横着せずに読むべきと思います。

自己証明などは別として、特にアジアの国に対してFTAを使う場合、日本商工会議所の原産判定が必要となります。

そのために、資料を作って提出するのですが、日本商工会議所が見ているのは右側の「原産地規則に基づき評価」の資料です。右側は要求されていないようです。(ただ、一部の商工会議所では提出を要求されることがあります)

まあ、右側でおおよそのことが分かります。原産判定に最終的な責任を持たない、チェック機能としての商工会議所であれば、件数も多いため、右側だけの対応となるでしょう。実際に聞いた話ですが、日本商工会議所のシステムでの提出書類の区分には、右の箱の文言は書かれますが、左側の文言は書かれていません。

であれば、右側だけでいいのだろうと思うでしょうが、私はそう思いません。

日本商工会議所が行う原産判定の際の資料提出と確認は、OKが出たとしても日本商工会議所がお墨付きを出したと言うことではありません。

過去を遡れば、証拠書類の提出はいまみたいに100%ではなく、ラフに計算してみた事があるのですが、20%程度でした。そこで経済産業省が、「証拠書類を全て見よ」という指示を出して、日本商工会議所も抵抗はしたのですが、押し切られた形で証拠書類の確認をするようになりました。

必要な書類を全て見るのではなく、必要最低限を見ているというのが私なりの解釈です

日本商工会議所のチェックは通って当たり前ですが、通ったから検認も問題ないということにはならないのです

原産地証明の際に、出来ればやらなくてもいい仕事は省きたいものです。サプライヤから情報(特に材料リスト)をもらって証明をする際に、私なら必ずもらったリスト(総部材表)にサプライヤの承認を示す印をもらいます。その情報の責任の所在を明らかにするためです。

が、「印がなくてもいいだろう」ということを言ったのかどうか分かりませんが、印がなくても済む対応を経済産業省の証拠書類の例示で示しました。

そのことは、なくてもいいのではなくて、検認が発生したときには、企業がそのリストの正しさを示すのですよという意味と理解しています。OKと言われたことは、後ほどその正しさを企業がちゃんと示さねばならないことであって、「楽ができた」ことにはならないと思っています。

先の図の左側の「総部材表」、「生産工程表」も要らないのではなく、聞かれたらちゃんと説明できるようにしてね、ということです。

最近はEUやRCEPの中韓からも検認が来るようになりました。当社が主催しているFTA戦略的活用研究会で定期的に「検認」のユーザー調査をすることになり、第1回を行いましたが、検認の際にかなり細かいことを聞かれるようになっています。

回答日数も少なく、検認は急に来ますから、受ける方はバタバタします。数年前の話ですので、資料を探すのも苦労することがあるようです。

原産判定をした時にちゃんと証拠書類を作っておいたらいいのにと思うのですが、人間の性でしょうか、とりあえず通したいのでしょうね。

そういった事例は他にもあります。

準備するのは大変だと言いますが、実際に原産地証明を代行で行っていて、大変だとは思いません。

関税の減免を受けるために、必要であれば、その原産性の正当性をちゃんと説明できるものをあらかじめ用意するのは当然です。

私は、日本商工会議所の原産判定の際には、先の資料を全て出します。商品の写真も添付します。その方が会議所の方も内容が分かっていただける。

サプライヤ証明も、証明書だけを付けるのではなく、当方で推定して証拠書類を作成し、サプライヤに修正確認をしてもらい、捺印をもらったものを提出しています。

商工会議所から指摘された記述もほとんどを取り入れて、記載しています。

結果としてよく理解していただき、かなりスムーズな申請が出来ていると思います。

CTCやVAだけを提出するよりは少し手間ですが、逆に手間をへらす工夫もかなり行っていますので、時間はさほどかかりません。

楽をすることで後で苦しみたくない。検認の際にはスムーズな対応が出来るようにして、突発的にやって来る検認対応で通常業務に支障が出ないようにしています。

多くのFTAが発行した数年前に比べて、FTA担当の人が入れ替わっている印象が強くあります。

当時はセミナーも多くあったために勉強する場がありました。また、FTAの書籍(当方も出版しています)を買い求めて勉強して対応する方も減りました。

企業の中で引き継ぎがされているのですが、基礎が分からず「とりあえずこうしておけ」的なことが多くあると最近の担当者から聞いています。

商工会議所の原産判定を通すという視点ではなく、原産性をちゃんと説明できる証拠書類を作成することを念頭に置いた対応をされた方がいいと思います。

企業内でのFTA業務の引き継ぎ

本日、アドバイザー契約をしている顧客の企業でFTA業務を引き継いだ3名にFTAの色はをレクチャーを3時間行いました。

3人なので、一方的な講義ということではなく、いろいろな事を聞いたり、彼らからの質問を受けたり双方向の有意義な時間を過ごせたと思います。

びっくりしたのは、この企業での引き継ぎが(申し訳ありませんが)表面的なもので、なぜこういうことをしなければいけないかという引き継ぎがないので、FTAの業務として行っているのだが、何をしているのか理解が足りず、困っていたとのこと。

当方のレクチャーはなぜこうなっているか、なぜこうしなければいけないかを説明しますので、「今日の話で今までやらなければいけないことに納得がいきました。」というれしい感想を頂きました。

人事異動でこういうことが起こっているとすると、企業の原産地証明の質も問題がある企業が多くありそうです。

担当者を付けた、引き継ぎしたというだけではダメですね。

商工会議所で原産判定をもらっても、「問題ない」ということではない

抽象的で分からないかもしれませんが、原産地証明で日本商工会議所から原産判定をもらって、「できた。問題ないじゃないか。プロに払うのは馬鹿げている。」と思っている人の多いこと。

証明を見ると、問題が多いことが少なくない。

時間をかけて、経験を積んで証明をしてきた人のことを言っていない。問題がないと思う。

しかし、人の証明をものまねして、日本商工会議所から問題なく判定をもらった人の証拠書類を精査するといかに問題の多いことか。

「できた」と思う人を変えることはできない。

ましてや、仕事の欲しい私たちの言っていることは半ば仕事が欲しい「嘘つき」なのであろう。

その上司も分かったつもりで「FTAは問題ないです。」となる。

検認などの問題が発生してから、「困った。どうしよう」なのである。

当方も問題が起こってから対処できることなどしれている。

FTAでの対処は、検認時でも問題が無いようにする「予防」なのである。

そのことが少しでも分かってくれたら、うれしいのだが。

営業戦略とFTA:なぜ日本企業は企業戦略にFTAを組み込まないのか

昨日、FTAアドバイザー契約をしている企業から、RCEPを使って輸入企業にFTAの関税削減効果をシェアをお願いするための方策を相談されました。

これは常日頃から私が言っているFTAの戦略的活用の一つです。
・他にもサプライチェーンなど論点はあります

FTAによる関税削減は、原産地証明という苦労を輸出企業が行い、輸入関税の削減とう果実を受けるのは輸入企業というアンバランスさを持っています。

輸入企業(=お客様)から言われて行う必要悪がFTA業務になっているのです。

今日の今日まで、日本企業のFTA活用の大半(感覚的に95%)は顧客から言われてFTAを適用し、証明の苦労をする一方、関税削減の恩恵を受けるのは輸出企業のグループ企業でない限り、輸入企業というアンバランスを続けています。

どうやって関税削減の成果のせめて一部でも取り込むようにする施策を日本企業は考えないのでしょうか。

先の企業のような相談が増えることが、海外販売戦略で利益の果実を得る日本企業が増える事に繋がります。