ベトナム(Viet Nam)のHSコード「事前教示」

ベトナム(Viet Nam)のHSコードに関する「事前教示(Advance Ruling/ベトナム語:Xác định trước mã số)」**の実務まとめです(確認日:2025‑10‑06)。


相手国の対応組織とURL

ベトナムの事前教示(HS分類)は**ベトナム税関総局(General Department of Vietnam Customs, GDVC)**が所管します。オンライン提出を含む公式サイト・様式は下記です

□ 総局トップ/問い合わせ
  https://www.customs.gov.vn/

□ 事前教示(HS分類)ガイダンス(VNTR内・英語)
  https://vntr.moit.gov.vn/administrative_rulings

□ 国家公共サービスポータル(手続ページ/分類)
  https://dichvucong.gov.vn/p/home/dvc-chi-tiet-thu-tuc-hanh-chinh.html?ma_thu_tuc=1.007807

□ 電子申請ポータル(GDVC Online Public Service:pus)
  https://pus.customs.gov.vn/

□ 申請様式(Form 01/XĐTMS/TXNK:申請書の雛形PDF)
  https://www.vietnamtradeportal.gov.vn/kcfinder/upload/files/Mau%2001%20PL%206%20TT38%20-%20xac%20dinh%20truoc%20ma%20so%20hang%20nhap%20khau.pdf

出典(制度全体と入口の確認):VNTRの「Administrative rulings」ページ、国家公共サービスポータル、GDVCオンラインポータル等。Viet Nam National Trade Repository+2Dich Vu Cong+2


事前教示のプロセス

  • 提出時期輸出入の少なくとも60日前までに、完全な申請書類GDVCへ提出(オンライン/郵送/対面のいずれか)。Viet Nam National Trade Repository
  • 提出経路
    • オンライン(pus.customs.gov.vn)、
    • 郵送、
    • 直接持参(GDVC本庁の受付)。Dich Vu Cong
  • 審査・不受理:書類が不十分、他機関で調査中、既に同一品のコードが官庁文書で示されている場合などは不処理(不受理)Viet Nam National Trade Repository
  • 形式審査(5日)受領から5営業日以内に、要件不充足の場合は文書で拒否通知Viet Nam National Trade Repository
  • 結果通知完全書類の受領後通常30日/複雑案件60日結果(事前決定)を文書で通知し、税関データベースに登録・GDVCサイトで公表Viet Nam National Trade Repository

事前教示をもらうために必要な情報(最小パック)

  • 申請書Form 01/XĐTMS/TXNK(Circular 39/2018/TT‑BTC 付属書VI)。
  • 技術資料成分分析書/カタログ/写真等(サンプルは任意だが求められる場合あり)。
  • サンプル取扱い:分析・分類検査はCircular 14/2015/TT‑BTCの規定に従う。
    (いずれもVNTRの手順に明記)Viet Nam National Trade Repository+1

結果が出るまで必要な期間(目安)

  • 通常案件30日以内(完全書類受領から)。
  • 複雑案件60日以内
    (手続ページ・政令に一致する標準)Dich Vu Cong+1

事前教示の有効期間

  • 最長3年(総局長サイン日から起算)。
  • 事実相違・虚偽情報・法令改廃などがある場合は無効・取消となる旨を規定。Viet Nam National Trade Repository

事前教示を得るために必要な費用

  • 政府手数料公式手続ページに具体額の掲示なし(記載欄はあるが金額の明示は見当たらず)。
    実務上、分析・鑑定が伴う場合の実費が個別指示されることがあります。Dich Vu Cong

その他大切な項目(使い勝手に直結)

  • 拘束力と使途:GDVCが発する事前決定通知通関申告の根拠。ただし申請内容と実貨物が同一であること、法令不変が前提。Viet Nam National Trade Repository
  • 公表:結果通知は税関データベースへ登録され、GDVC公式サイトで公表される運用。実際にGDVCは「HSコードの事前決定通知(TB‑TCHQ)」を公開しています。Viet Nam National Trade Repository+1
  • 異議・再検討:内容に異議がある場合は**10営業日(通常)/30日(複雑)**で再検討結果を通知。Viet Nam National Trade Repository
  • 変更届出義務:申請対象品に変更が生じたら10営業日以内にGDVCへ文書通知。Viet Nam National Trade Repository
  • 提出先・方法の再確認:GDVC本庁の窓口提出に加え、**オンライン提出(pus.customs.gov.vn)**が公的Q&Aで明記。Dich Vu Cong
  • 提出タイミング60日前提出が公式ガイダンス(VNTR)に明記されているため、図面・分析等の補充時間も含め逆算が安全。Viet Nam National Trade Repository

すぐ使える実務TIP(チェックリスト)


まとめ(要点)

  • 窓口:GDVC(オンライン提出可)。
  • 提出60日前Form 01+技術資料(必要に応じサンプル)
  • 期間30日(通常)/60日(複雑)
  • 有効最長3年(同一事実・法令不変が前提、条件変更で失効)。
  • 手数料明記なし(分析等の実費は個別)。
  • 公開・再検討データベース登録・サイト公表異議は10/30日で回答
    (根拠:政令08/2015(改正59/2018)英訳、VNTR、国家公共サービスポータル、GDVC告知)Viet Nam National Trade Repository+2Viet Nam National Trade Repository+2

相互関税(米国の追加相互関税:2025年10月6日)最新一覧

作成日:2025年10月6日(JST)

対象:下記各国・地域から米国へ輸入される貨物に対して課される「相互関税(Reciprocal Tariffs)」の追加関税率(通常の関税=HTSUSのColumn 1(General)税率に上乗せ。EU・日本は特例)です。

重要な注記

  • 注1:ここでの「関税率」は相互関税の追加分です。一般(MFN/Column 1)や他制度(セクション232、アンチダンピング等)は別途。
  • 注2:EU特例…Column 1 Duty Rateが15%未満の品は「(15% − Column 1)」を加算、15%以上追加0%
  • 注3:カナダ/メキシコはAnnex Iに非掲載→相互関税としてはSec.2(d)により10%ベースラインの対象。一方で**別制度(IEEPA:国境・合成麻薬対策)**の追加関税が並行:メキシコ25%カナダ原則35%(8/1発効、エネルギー等は10%)、USMCA適合は除外。詳しくは各行の備考を参照。
  • 注4:中国5/12の大統領令で相互関税を一時10%に引下げ(90日)8/11の大統領令で延長し、2025/11/10 0:01 a.m.(米東部標準時)まで継続。
  • 注5:経過措置(7/31 EOに基づく船積済み猶予)は2025/10/5 0:01 a.m.(米東部時間)で終了。税率自体の更新ではありません。

出所の略記:
「Annex I(7/31 EO)」=2025/7/31大統領令 “Further Modifying the Reciprocal Tariff Rates” 附属書I(国別率)/本文Sec.2(d)(Annex I外=10%)
「EO 9/4(日本)」=“Implementing the United States–Japan Agreement”(日本の特例)
「EO 5/12・EO 8/11(中国)」=5/12の一時引下げ8/11の延長
「IEEPA(加・墨)」=北部/南部国境対策の別制度(連邦官報・WH発表)

前日からの差分

  • 税率の変更は確認なし(前日比:なし)。経過措置の失効済み(10/5 EDT)を注記に反映。

一覧表(国名・相互関税率・出所・備考)

特記なき限り、出所はAnnex I(7/31 EO)で、相互関税=追加%です。 全レートの原典はAnnex I。

国名相互関税率(追加)出所備考
Afghanistan(アフガニスタン)15%Annex I(7/31 EO)
Algeria(アルジェリア)30%Annex I(7/31 EO)
Angola(アンゴラ)15%Annex I(7/31 EO)
Bangladesh(バングラデシュ)20%Annex I(7/31 EO)
Bolivia(ボリビア)15%Annex I(7/31 EO)
Bosnia & Herzegovina(ボスニア・ヘルツェゴビナ)30%Annex I(7/31 EO)
Botswana(ボツワナ)15%Annex I(7/31 EO)
Brazil(ブラジル)10%Annex I(7/31 EO)
Brunei(ブルネイ)25%Annex I(7/31 EO)
Cambodia(カンボジア)19%Annex I(7/31 EO)
Cameroon(カメルーン)15%Annex I(7/31 EO)
Canada(カナダ)(相互関税)原則10%(Annex I外)EO 7/31 Sec.2(d)別制度:IEEPAで35%(8/1〜)、エネルギー等は10%、USMCA適合は除外。相互関税10%は“ベースライン”。
Chad(チャド)15%Annex I(7/31 EO)
China(中国)10%(一時引下げ・延長中)EO 5/12・EO 8/115/12の90日一時引下げ→8/11延長。11/10 0:01 a.m.(EST)まで
Costa Rica(コスタリカ)15%Annex I(7/31 EO)
Côte d’Ivoire(コートジボワール)15%Annex I(7/31 EO)
DR Congo(コンゴ民主共和国)15%Annex I(7/31 EO)
Ecuador(エクアドル)15%Annex I(7/31 EO)
Equatorial Guinea(赤道ギニア)15%Annex I(7/31 EO)
EU(欧州連合)特例方式Annex I(7/31 EO)Column 1<15%:**(15%−Column 1)**を加算/Column 1≧15%:追加0%
Falkland Islands(フォークランド諸島)10%Annex I(7/31 EO)
Fiji(フィジー)15%Annex I(7/31 EO)
Ghana(ガーナ)15%Annex I(7/31 EO)(原文に未記載だったため追補)
Guyana(ガイアナ)15%Annex I(7/31 EO)
Iceland(アイスランド)15%Annex I(7/31 EO)(原文に未記載だったため追補)
India(インド)25%Annex I(7/31 EO)
Indonesia(インドネシア)19%Annex I(7/31 EO)
Iraq(イラク)35%Annex I(7/31 EO)
Israel(イスラエル)15%Annex I(7/31 EO)
Japan(日本)特例:ベースライン15%EO 9/4(日本)Column 1<15%は合計15%、≧15%は追加0%汎用医薬品・特定資源は**0%**の品目例外。
Jordan(ヨルダン)15%Annex I(7/31 EO)
Kazakhstan(カザフスタン)25%Annex I(7/31 EO)
Laos(ラオス)40%Annex I(7/31 EO)
Lesotho(レソト)15%Annex I(7/31 EO)
Libya(リビア)30%Annex I(7/31 EO)
Liechtenstein(リヒテンシュタイン)15%Annex I(7/31 EO)
Madagascar(マダガスカル)15%Annex I(7/31 EO)
Malawi(マラウイ)15%Annex I(7/31 EO)
Malaysia(マレーシア)19%Annex I(7/31 EO)
Mauritius(モーリシャス)15%Annex I(7/31 EO)
Mexico(メキシコ)(相互関税)原則10%(Annex I外)EO 7/31 Sec.2(d)別制度:IEEPAで25%(USMCA適合は除外)。相互関税10%は“ベースライン”。
Moldova(モルドバ)25%Annex I(7/31 EO)
Mozambique(モザンビーク)15%Annex I(7/31 EO)
Myanmar(ミャンマー)40%Annex I(7/31 EO)
Namibia(ナミビア)15%Annex I(7/31 EO)
Nauru(ナウル)15%Annex I(7/31 EO)
New Zealand(ニュージーランド)15%Annex I(7/31 EO)
Nicaragua(ニカラグア)18%Annex I(7/31 EO)
Nigeria(ナイジェリア)15%Annex I(7/31 EO)
North Macedonia(北マケドニア)15%Annex I(7/31 EO)
Norway(ノルウェー)15%Annex I(7/31 EO)
Pakistan(パキスタン)19%Annex I(7/31 EO)
Papua New Guinea(パプアニューギニア)15%Annex I(7/31 EO)
Philippines(フィリピン)19%Annex I(7/31 EO)
Serbia(セルビア)35%Annex I(7/31 EO)
South Africa(南アフリカ)30%Annex I(7/31 EO)
South Korea(韓国)15%Annex I(7/31 EO)
Sri Lanka(スリランカ)20%Annex I(7/31 EO)
Switzerland(スイス)39%Annex I(7/31 EO)
Syria(シリア)41%Annex I(7/31 EO)
Taiwan(台湾)20%Annex I(7/31 EO)
Thailand(タイ)19%Annex I(7/31 EO)
Trinidad and Tobago(トリニダード・トバゴ)15%Annex I(7/31 EO)
Tunisia(チュニジア)25%Annex I(7/31 EO)
Turkey(トルコ)15%Annex I(7/31 EO)
Uganda(ウガンダ)15%Annex I(7/31 EO)
United Kingdom(英国)10%Annex I(7/31 EO)
Vanuatu(バヌアツ)15%Annex I(7/31 EO)
Venezuela(ベネズエラ)15%Annex I(7/31 EO)
Vietnam(ベトナム)20%Annex I(7/31 EO)
Zambia(ザンビア)15%Annex I(7/31 EO)
Zimbabwe(ジンバブエ)15%Annex I(7/31 EO)

参照先(主要ソース)

  • 大統領令(7/31)Further Modifying the Reciprocal Tariff Rates(Annex Iの国別率、EU特例、Sec.2(d)の10%ベースライン、経過措置期日)。
  • 大統領令(9/4・日本)Implementing the United States–Japan Agreement(対日ベースライン15%・0%例外)。
  • 大統領令(8/11・中国延長)Further Modifying Reciprocal Tariff Rates to Reflect Ongoing Discussions with the PRC(一時10%の延長、終了=2025/11/10 0:01 a.m. EST)。
  • IEEPA(カナダ)Amendment to Duties to Address the Flow of Illicit Drugs Across Our Northern Border(**35%**へ増率、USMCA除外やエネルギー10%等の位置づけ)。
  • IEEPA(メキシコ)Imposing Duties To Address the Situation at Our Southern Border25%、USMCA適合除外)。

タイ(Thailand)のHSコード「事前教示」

タイ(Thailand)のHSコード「事前教示」(Advance (Tariff) Ruling / Advance Classification Ruling: ACR)の実務まとめ(確認日: 2025-10-06 JST)です。要所は公式資料直近の専門解説を併記しました。


1) 相手国の対応組織とURL

  • 対応組織:Thai Customs Department(タイ関税局)― 関税分類(Tariff Classification)を所管
    • Advance Tariff Ruling(制度解説)https://en.customs.go.th/content.php?ini_content=traders_and_business_151006_01(英語) en.customs.go.th
    • Advance Ruling(入口ページ)https://en.customs.go.th/list_strc_simple.php?ini_content=advance_ruling&lang=en&left_menu=menu_advance_ruling(英語) en.customs.go.th
    • 様式集(申請・見直しフォームを含む)https://en.customs.go.th/list_strc_download.php?ini_content=forms&lang=en&left_menu=menu_forms(英語。例:Request for Review of Advance Tariff Rulingen.customs.go.th
    • 制度説明(タイ語PDF)https://www.customs.go.th/data_files/01cd989a73e4fbfe8258619f8c6319fb.pdf(「Advance Ruling on Tariff Classification」) customs.go.th

2) 事前教示のプロセス(概要)

  1. 所定様式で申請(申請先:Thai Customs)。予定輸入日の「少なくとも30官庁日前」に提出する取扱いが明記。書類不備は発出遅延・不可・無効化の原因。 NEDA
  2. 審査:必要に応じ追加資料の提出を求められる(通知受領後15官庁日以内に補充)。補充完了後に30又は60官庁日の標準期間が起算。 wtocenter.vn
  3. 結果通知:書面の裁定(分類見解)が付与。最近の実務解説では**「30〜60営業日」**程度の見込み感も示される。 Tilleke & Gibbins

備考:2024年1月から**非拘束の事前相談(Non-binding consultation)**が開始。ACRとは別に、分類当局と事前に擦り合わせが可能です。 taxnews.ey.com


3) 事前教示をもらうために必要な情報(最小パック)

  • 製品名/商標・型番、用途、具体的特徴、成分・構成、製造工程
  • 写真・カタログ・図面・分析結果など識別に資する資料(必要に応じサンプル提出
  • (追加要請時は)15官庁日以内に補充提出
    これらはタイ関税局説明資料(および配布資料に引用される要件)で具体化されています。 wtocenter.vn

4) 結果が出るまで必要な期間(目安)

  • 公式ガイダンス30官庁日(案件により60官庁日)。追加資料要求があれば、受領後に上記期間を起算。 wtocenter.vn
  • 実務解説(2025年)30〜60営業日程度。 Tilleke & Gibbins
  • 提出タイミング予定輸入の30官庁日前までに申請するのが原則。 NEDA

5) 事前教示の有効期間

  • 現在の実務3年間(法令・事実変更まで/申請内容と同一性が前提)。 Tilleke & Gibbins+1
  • 参考(古い資料):かつては2年との記述も流通(古い当局配布資料)。更新・見直しで3年運用に移行した旨の近年解説あり。 wtocenter.vn

6) 事前教示を得るために必要な費用

  • 手数料2,000バーツ/件(Advance Tariff Ruling申請手数料)。 en.customs.go.th
    ※同法体系では原産地・評価のAdvance Ruling2,000バーツの規定あり(関税法2017の手数料表)。 customs.go.th

7) その他大切な項目(実務上の注意)

  • 拘束力:ACRの結果は申請者とタイ関税の間で拘束的(前提条件が同一の場合)。有効は原則3年taxnews.ey.com
  • 見直し・不服Advance Tariff Rulingの「見直し申請」フォームが公開。見直し決定は最終で、発出日から2年間有効の取扱いが明記(見直し決定に関する規定)。 en.customs.go.th+1
  • 公開性中央公開DBは限定的だが、**「HSコード検証の前例(precedent rulings)」**が初期参照用に言及されることあり(一般向け体系的DBとは別)。 wtocenter.vn
  • 提出単位:実務上は品目ごとに申請し、完全な技術資料を添付するのが通例(多品目同時は非推奨)。 NEDA+1
  • タイのコード体系:タイの通関申告は11桁(AHTN8桁+国内3桁)。ACRの分類結果は**タイ関税品目表(AHTN準拠)**に基づくため、申告11桁への写し替え整合に留意。 blog.tradewin.net+1
  • 相談メニュー:2024年開始の非拘束の事前相談は、ACR申請前の論点整理に有用(費用はACRとは別。制度目的が異なる)。 taxnews.ey.com

申請前チェックリスト(実務TIP)

  • 組成・工程・用途・写真/図面分類特定に十分な粒度で揃っているか。
  • 第三者根拠(WCO分類意見・他国裁定等)があれば添付。
  • 追加資料要請15官庁日で応答できる体制(社内・サプライヤ連携)。 wtocenter.vn
  • 輸入予定日から逆算して30官庁日前に提出できるスケジュール設計。 NEDA

新聞記事「トランプ政権、トヨタ・ホンダなどへの関税軽減措置を決定へ」の信憑性について:AIによる確認

これは、2025年10月3日にロイター通信が最初に報じ、その後、日本の時事通信などが追って報じたニュースに基づいています。以下に、報道内容の詳細と現時点での注意点をまとめました。


報道内容の詳細まとめ

1. 報道の概要

2025年10月3日、ロイター通信が共和党上院議員や業界関係者からの情報として、「トランプ政権が、米国内で自動車を生産する大手メーカーを対象とした関税負担の軽減措置を拡充・延長する見通しである」と報じました。

2. 主な対象企業

この措置の対象として、米国内での生産比率が高い以下の企業が挙げられています。

  • トヨタ自動車
  • ホンダ
  • フォード・モーター
  • ゼネラル・モーターズ(GM)
  • テスラ

3. 検討されている具体的な措置内容

報道によると、トランプ政権は2025年5月に発動した自動車部品に対する25%の追加関税について、その負担を相殺するための制度を拡充する方向で検討しています。

  • 免除割合の据え置き: 現在、米国内で組み立てた車両の小売価格に対して、関税負担を免除する割合が設定されています。この割合は当初の**3.75%**から段階的に縮小される予定でしたが、これを据え置くことが検討されています。
  • 期間の延長: この負担軽減措置の適用期間を、当初の予定より長い5年間に延長する案が浮上しています。
  • 対象品目の拡大: 自動車本体だけでなく、エンジンもこの軽減措置の対象に含めることが検討されています。

4. 背景

この動きの背景には、2025年4月以降にトランプ政権が発動した一連の自動車関連の追加関税があります。乗用車本体の関税が大幅に引き上げられた一方、サプライチェーンの国内回帰と米国内での生産を促進する目的で、今回のような「アメ」となる措置が検討されているものと見られます。


注意点:現時点での情報の位置づけ

重要な点として、今回の報道はあくまで「見通し」や「検討段階」の内容であり、まだ正式に決定・発表されたものではありません

  • 情報源: 報道は、政府の公式発表ではなく、匿名の業界関係者や一部の与党議員の話に基づいています。
  • 不確定要素: 今後、具体的な措置の内容や条件が変更される可能性や、最終的に実施に至らない可能性も残されています。

したがって、このニュースは「トランプ政権内で有力な検討が進められている」と理解するのが現時点では最も正確です。今後の正式な発表が待たれる状況です。

FTA-BPOセミナー013 「FTA業務でのAI活用:可能性と限界」

FTA-BPOセミナー013 「FTA業務でのAI活用:可能性と限界」の日時が決まりました。


昨今、AI活用が叫ばれており、FTA業務もその例外ではありません。原産地証明、HSコードなど適用領域は多くありますが、その一方でAIを使う事による問題も生じています。

どういう点を考えるべきなのかを、ロジスティックが作ったAIモデルを使っていただき、皆さんと経験を交えてお話ししていきます。

■■ 講演者 ■■
株式会社ロジスティック 代表取締役 嶋 正和 氏

■■ 開催日時 ■■
2025年11月13日(木) 14:00~15:00

■■ 開催場所 ■■
Webのみでの開催(Teams利用予定)

■■ セミナー関連情報 ■■

AIを活用したHS Code Finder

セミナーへのご参加は、実際にHSコードを活用する企業に限定させていただきます。
お申し込みの後、セミナー当日午前中にご参加頂く方にリンクをお送りいたします。

■■ 申込み ■■
こちらからお申し込み下さい。

米国の対サブサハラ・アフリカ無税特恵制度「AGOA(African Growth and Opportunity Act、アフリカ成長機会法)

1. AGOAの現状と最新動向

AGOAとは
「9月末失効」は、米国の対サブサハラ・アフリカ無税特恵制度「AGOA(African Growth and Opportunity Act、アフリカ成長機会法)」を指します。現行法の失効期限は2025年9月30日で、米税関国境警備局(CBP)の公式ページにも「直近の再授権期限は2025年9月30日まで」と明記されています。

延長の見通し
2025年9月30日時点で、議会による延長法案は成立していません。ただし、米政権は1年間の延長を支持する方針を示しており、超党派の支持もあるものの、成立時期は不透明です。一方で、ホワイトハウスの対応が遅いとする報道も出ています。

追加関税措置の影響
2025年4月以降、米国は自動車および部品に追加25%の関税を課すなど、広範な関税措置を実施しています。このため、AGOAによる特恵が残っていても、追加関税によって実質的な優遇効果が相殺される状況が生じています(特に南アフリカの自動車輸出)。関連する大統領布告および省庁ガイダンスは既に公表されています。


2. AGOA適格国(2025年時点)

米通商代表部(USTR)の公式リスト(2025年版)に基づく適格国は以下の32か国です(※ルワンダは「衣料特恵が2018年7月31日より停止中」との注記あり)。

適格国一覧(アルファベット順)
アンゴラ、ベナン、ボツワナ、カーボベルデ、チャド、コモロ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、コートジボワール、ジブチ、エスワティニ、ガンビア、ガーナ、ギニアビサウ、ケニア、レソト、リベリア、マダガスカル、マラウイ、モーリタニア、モーリシャス、モザンビーク、ナミビア、ナイジェリア、ルワンダ(衣料特恵停止中)、サントメ・プリンシペ、セネガル、シエラレオネ、南アフリカ、タンザニア、トーゴ、ザンビア

参考
ブルキナファソ、エチオピア、ウガンダ等は2025年時点で非適格となっています。適格国リストは毎年見直されます。


3. 打撃が想定される国と産業

AGOA制度下での**非石油製品輸入の主力は「自動車(完成車)」と「アパレル」**です。2023年の主な内訳は、自動車が19億ドル、アパレルが11億ドルでした。アパレルの主要供給国はケニア、マダガスカル、レソト非石油製品全体では南アフリカが最大です。その他、加工カカオ製品(ガーナ、コートジボワール)、柑橘類(南アフリカ)、フェロアロイ、銅関連製品(ザンビア等)も主要品目です。

以下、AGOA失効(無税特恵の消滅)と米国の追加関税措置が重なることで打撃が大きいと想定される国と産業を影響度の高い順に示します。

南アフリカ:自動車(完成車・部品)、柑橘類

  • 根拠:南アフリカは非石油製品で最大のAGOA輸出国であり、完成車が輸出の柱です。2024年の南アフリカ自動車輸出はAGOA貿易の64%を占めるとの業界統計があります。2025年7月以降、米国の追加25%関税が発動され、対米車両輸出が急減しています。AGOA失効により、乗用車はMFN(最恵国待遇)税率2.5%(小型トラックは25%)に戻り、さらに追加25%が上乗せされる複合的なショックを受けます。

ケニア:アパレル(輸出加工区の縫製中心)

  • 根拠:AGOA制度下のケニアはアパレルが輸出の約9割を占めます。2024年のアパレル対米輸出は**過去最高(約606億ケニアシリング)**を記録しました。失効により、**HS分類61/62(衣料)のMFN税率は概ね16〜32%となり、2025年夏の実効平均税率は26.4%**まで上昇するとの分析があります。また、第三国生地規定の停止も大きな痛手となります。

レソト:アパレル

  • 根拠:レソトはAGOAを梃子に米国向け縫製輸出を中核産業としており、2024年の輸出額は2億3,730万ドルでした。2025年春の米国追加関税で既に打撃を受けており、AGOA失効によりさらに悪化し、雇用(約3万人規模と報道)に直撃すると予想されます。

マダガスカル:アパレル

  • 根拠:AGOA制度下の**アパレル産業が最大の雇用源(直接・間接で40万人超)**となっています。失効により衣料関税が急上昇し、第三国生地規定の停止が大きなボトルネックとなります。

モーリシャス/エスワティニ:アパレル

  • 根拠:両国ともAGOA制度下で縫製産業を拡大してきました。米国国際貿易委員会(USITC)や各国プロファイルにおいて、対米衣料輸出が主力とされています。失効により関税が復活します。

ガーナ/コートジボワール:加工カカオ製品

  • 根拠カカオパウダー、カカオペースト等がAGOA制度下の主要非石油製品です。失効により、これら加工品のMFN税率(品目により数%)が復活し、付加価値化のインセンティブが弱まります

ザンビア/コンゴ民主共和国:銅および関連製品

  • 根拠銅および銅製品が主要輸出品目です。失効によりMFN税率に復帰し、利益率が縮小します。

ナミビア:牛肉ほか(影響は限定的)

  • 根拠:牛肉の対米輸出は解禁されましたが、実績は少量にとどまっています。失効の影響は相対的に小さいと見られます。

注記
エチオピア等は既に非適格となっているため、今回の失効による追加的な打撃は限定的です(ただし、既にAGOA停止により繊維縫製産業が縮小した経緯があります)。


4. 実務上の重要ポイント(チェックリスト)

関税率の上昇

  • 衣料品:MFN税率は16〜32%帯です。2025年は米国の追加措置も加わり、**実効平均税率が26.4%**まで上昇するとの分析があります。価格転嫁のリスクが大きくなります。
  • 自動車:MFN税率は**乗用車2.5%、小型トラック25%**が基本です。**2025年4月以降は追加25%**が上乗せされ(乗用車で合計27.5%、トラックで合計50%相当)、大きな負担増となります。

第三国生地規定(Third-Country Fabric)

32か国中少なくとも21か国が適用対象で、AGOA失効と同時にこの規定が無効化されます。アフリカ域外(中国、トルコ等)の生地を使用した縫製品が原産地要件を満たせなくなります

割当(アパレルSME)とビザ/通関手続き

2024年10月1日〜2025年9月30日のアパレル割当(約17億5,800万SME)は本日で終了します。HS分類9819でのAGOA主張やビザ番号の提示は失効後は不可となり、以降は通常(MFN)分類で申告する必要があります。

「輸送中」貨物の扱い

原則として、米国への輸入・申告時点で制度適用の可否が判定されます。延長法が遡及適用を明記しない限り、自動的に特恵が復活することはありません。AGOAでは遡及適用の前例がありますが(2004年の改正時)、都度、法律とCBP通達次第です。最新の**CBP CSMS(税関自動化システム)**や連邦官報、実務アラートを必ず確認してください。

代替オプション/今後の制度

  • 短期延長:政権は1年間の延長を支持との報道がありますが、成立時期や遡及適用の有無は不透明です。
  • 二国間交渉ケニアは年内に米国との包括的合意を目指すと発言しており、AGOA失効の橋渡しとなる可能性があります。
  • GSP(一般特恵制度):長期失効中であり、復活しても衣料品は原則として対象外のため、AGOAの代替にはなりません。
  • サプライチェーンの再設計:EU/英国向けのEPAやGSP、アフリカ域内のAfCFTA(アフリカ大陸自由貿易圏)への販路転換を検討する必要があります。

FTA戦略的活用研究会でHS Code Finderをお披露目

FTA戦略的活用研究会でHS Code Finderをお披露目しました。

会場にいる方に使ってもらえるようにしました。

まず、環境を調べました。

AIの利用状況を確認。

ChatGPT、Gemini、その他の利用環境を確認。セミナーに来られている方は、PCでの利用では会社の契約で使える方もいらっしゃいましたが、使える環境のない方も多く、スマートフォンでの利用はなおさらいらっしゃいませんでした。契約のない方は、ChatGPTならかなり制約のあるGPT-5の利用となります。そうなると推論に殆ど時間を使わないために、結果は信用ができないことになります。アウトプットのイメージは理解いただけますが。

この環境はサービスを展開する際にはかなり重要になるかと思います。やはりAPIでの展開が大事かなと。

その会場には、私のHSコードの師匠もいらっしゃり、その方からコメントを頂戴しました。

「公式の正しいレファレンスに裏打ちされたものであるところが素晴らしいです。」

師匠には今後のご協力をお願いしました。

懇親会でもある企業の方から情報検索のトライをお願いされました。当方のシステムからの回答は正解でした。

少しずつ自信を深めることができています。

2025年米国鉄鋼・アルミニウム関税制度の概要と企業対応

1. 2025年の大改定のポイント

関税率の大幅引上げ

2025年6月3日の大統領布告により、鉄鋼・アルミニウムおよびその派生製品に対する関税率が一律**50%**に引き上げられました(英国のみ25%)。これは通商拡張法第232条(Section 232)に基づく措置で、2025年6月4日(EDT)以降の輸入に適用されます。

課税方式の変更:「金属含有価額」ベース

従来の「総額課税」から「金属含有価額のみに対する課税」に変更されました。CBP(米国税関国境警備局)の実務通達により、派生製品やHS第73類(鉄鋼)・第76類(アルミニウム)の品目についても、製品全体ではなく鋼・アルミニウムの含有価額部分のみに232関税が課されます。

除外制度の終了と「インクルージョン制度」の創設

2025年2月10日の布告により、従来の232除外申請制度が終了しました。代わりに、派生製品を追加指定するための「インクルージョン手続」が年3回(5月・9月・1月)の受付期間で運用開始されています。

重複課税(スタッキング)の整理

大統領令第14289号(2025年4月29日)により、複数の特定関税が同一貨物に重複して過剰となる事態を一定範囲で防ぐ手順が規定されました。ただし、232関税と対中制裁の「301関税」については累積適用されることが明記されています。

2. 派生製品の対象拡大

「派生製品(derivatives)」とは、基礎素材(鉄鋼・アルミニウム)からさらに加工された下流製品のことで、2018年の232措置では対象外だった製品分野にまで関税を適用するために指定されています。

2025年の主な追加項目

アルミニウム派生製品(4月4日発効)

  • 空のアルミ缶(HS 7612.90.10)
  • ビール(HS 2203.00.00)

鉄鋼派生製品(6月23日発効)

  • 家電製品(冷蔵冷凍庫、洗濯機、乾燥機、食洗機、オーブン・レンジ、生ごみ処理機)
  • 溶接ワイヤラック(HS 9403.99.9020)

トレーラー類(8月18日発効)

  • ドライバン・冷凍(リーファー)トレーラー(HS 8716.39.0040等)とそのサブアセンブリ

今後の展開

BISのインクルージョン制度により、国内生産者等の申請に基づいて派生製品は継続的に追加される見込みです(申請から60日以内に判断)。

3. 関税算定の具体的方法

基本税率

  • 鉄鋼・アルミニウム・派生品:50%(英国原産品のみ25%)

課税ベースの算定

  1. HS第73類(鉄鋼)・第76類(アルミニウム)製品:金属の「含有価額」のみに課税
  2. 派生製品:製品中の鋼・アルミニウム含有価額に対して課税
  3. 鉄・アルミ両方を含む派生品:それぞれの含有価額に対してそれぞれの232関税を課税

申告方式:「2行計上」

CBPの指示により、以下の2行に分けて申告します:

  • 1行目(非金属部分):本来のHS番号、原産国、「総額-金属含有価額」
  • 2行目(金属含有価額):同一HS・原産国、数量0、価額=金属含有価額、HS第99類で50%課税

算定例

洗濯機(申告価額500ドル、うち鋼含有価額100ドル、アルミ含有価額20ドル)の場合:

  • 鋼部分:100ドル × 50% = 50ドル
  • アルミ部分:20ドル × 50% = 10ドル
  • 232関税合計:60ドル

中国原産品で301関税対象の場合、さらに25%が併課される可能性があります。

4. 重複関税の取扱い

232関税 vs 301関税(対中)

累積適用されます。中国原産で232対象品の場合、232(50%)+ 301(25%)が併課される可能性があります。

232関税 vs IEEPA(相互関税)

232に関わる金属部分にはIEEPAは重複適用されませんが、非金属部分にはIEEPAが課される場合があります。

その他の特則

  • ロシア関連アルミニウム:232とは別に200%の特則が存続
  • デューティードローバック不可、FTZは原則「特恵外国品扱い」が必要

5. 企業の実務対応チェックリスト

A. 分類・原産・含有価額の把握

  1. HTS分類の見直し:新規派生指定品目(家電、トレーラー、空缶・ビール等)について社内マスターを更新
  2. 金属含有価額の算定体制整備:BOM・コスト表から鋼・アルミ含有価額を抽出できる仕組みの構築
  3. 原産性証明の取得
    • 鉄鋼:Melt & Pour(溶解・鋳造)国の証明
    • アルミニウム:Smelt & Cast(製錬・鋳造)国の証明
    • メキシコ経由品は2024年7月以降の厳格化に注意

B. 課税最適化戦略

  1. 調達先の見直し:英国原産品は25%(他国50%)の優遇税率を活用
  2. 米国内素材の活用:米国でMelt & Pour/Smelt & Castされた素材は0%免除の可能性
  3. 設計変更の検討:鋼・アルミ以外素材への置換、金属使用量削減による含有価額の圧縮
  4. 複数関税の影響分析:232 + 301 + AD/CVDの総負担試算

C. 契約・申請対応

  1. 価格条項の見直し:サプライ・販売契約に「232/301変動条項」を追加
  2. インクルージョン申請の活用(国内生産者向け):年3回の申請機会を活用した競合品の追加指定
  3. 社内統制の強化:HTS・原産・含有価額・証憑の監査体制整備

6. 実際の企業事例

American Trailer Manufacturers Coalition

Great Dane、Stoughton、Strick、Wabashなどの米国トレーラーメーカー連合が2025年5月にBISへ派生指定追加を申請し、8月18日にドライバン・リーファートレーラーが派生製品として採用されました。

Whirlpool(米国家電メーカー)

家電の派生指定追加(6月23日)に対し、「金属含有価額課税」や重複関税整理を踏まえた支持表明を行い、国産比率の高さを背景に価格公平化効果を主張しています。

Ball Corporation(アルミ缶メーカー)

2025年の関税環境下でも、調達・ヘッジ・価格見直しにより影響は限定的としており、財務・契約面での対応による影響平準化の好例となっています。

7. 今後の注意点

制度面のポイント

  • 232税率は原則50%(英国25%)、2025年6月4日以降適用
  • 課税ベースは金属の「含有価額」のみで、2行計上が必要
  • 派生品範囲は今後もインクルージョン制度により拡大予定
  • 301関税(対中)とは累積適用される

企業の優先対応事項

  1. HTS分類の再確認
  2. 含有価額算定体制の整備
  3. Melt & Pour/Smelt & Cast証憑の取得
  4. 契約価格条項の見直し
  5. 対中国301関税重複の影響分析
  6. (国内生産者の場合)インクルージョン制度の活用検討

この新制度により、米国への鉄鋼・アルミニウム関連製品の輸出入には従来以上に精緻な管理と戦略的対応が求められています。企業は早急に社内体制を整備し、適切な対応策を講じることが重要です。

分野別追加関税(米国・2025年10月1日発効)

分野別追加関税(米国・2025年10月1日発効)

2025年9月25日(木曜日)、ドナルド・トランプ米国大統領は自身のソーシャルメディア(Truth Social)上で、複数の分野を対象とした新たな輸入関税を10月1日から導入すると発表しました。この発表はブルームバーグ、AP通信(NPRなどが配信)、日本のTBS NEWS DIGなど複数の主要メディアによって報じられています。

以下が発表された関税の概要です。

分野関税率修正・補足事項
ブランド/特許医薬品100%ジェネリック医薬品は対象外。米国内で製造施設を建設中(着工済み)の企業は適用除外となる。
キッチンキャビネット・洗面化粧台50%トランプ大統領は、これらの製品が他国から不当に「大量流入」していることを理由に挙げている。
布張り家具30%キッチンキャビネット等と同様の理由が示唆されている。
中型・大型トラック25%Peterbilt、Kenworth、Freightlinerといった米国のトラックメーカーを「不公平な海外競争から保護するため」と説明している。


重要な補足情報

  • 法的根拠: トランプ大統領は、特にトラックや家具・キャビネットの関税について「国家安全保障(National Security)およびその他の理由」と述べており、通商拡大法232条を念頭に置いた措置である可能性が高いです。
  • 発表の背景と目的: 今回の発表は、米国内の製造業を保護し、サプライチェーンを国内に回帰させるというトランプ政権の一貫した政策を反映したものです。特に医薬品については、企業に米国内での工場建設を促す明確な意図が見られます。
  • 市場への影響: この突然の発表を受け、メキシコに大規模な生産拠点を持つダイムラー・トラックなどの株価は下落し、一方で米国内での生産が中心のボルボの株価は上昇するなど、すでに関連業界の株価に影響が出ています。
  • 用語について: これらは米国が一方的に課す関税であるため、「相互関税」ではなく「追加関税」や「分野別関税」と呼ぶのがより正確です。

「カナダ—インドネシア包括的経済連携協定(CEPA)」現状整理

概要

協定の現状: 2025年9月24日、オタワで両国がCEPAに署名。協定ステータスは「署名済(未発効)」。international

発効見込み: 2026年に発効予定(各国の国内批准・実施法整備が前提)。pm

関税撤廃の規模:

  • カナダ側:インドネシア産品に対する90.5%の関税を撤廃
  • インドネシア側:85.8%の品目ヘディング(HSヘディング)を自由化
  • カナダの対インドネシア輸出の95%以上で関税削減または撤廃効果xinhuanet+1

※測定単位(関税分類の粒度)が異なるため、数値の直接比較には注意が必要

実施スケジュール

現在(署名後〜発効前): 関税・通関手続きは現行通り。企業はHSコード単位での影響分析や原産地管理の準備段階 。international

2026年発効後: 即時撤廃品目は0%に、段階的削減品目は年次スケジュールに従い低下。具体的な品目別スケジュールおよび品目別原産地規則(PSR)は協定本文・附属書で確認可能 。international

関税・原産地・通関手続き

関税撤廃・削減: 物品市場アクセス章に基づき実行。輸出入許可の透明性強化、新規輸入ライセンス規律も盛り込み 。international

原産地規則(ROO):

  • 累積(accumulation)対応、生産累積見直し条項あり
  • 原産地証明、保存義務、事前教示、検認、罰則、当局間協力を含む
  • 証明方式の詳細(様式・自己証明可否等)は協定本文に従うinternational

通関手続き・貿易円滑化: WTO貿易円滑化協定を基盤とし、通関の簡素化・標準化・電子化等を規定 。international

サービス・投資・デジタル分野

投資: ISDS(投資家対国家紛争処理)を含む保護・待遇規律を整備。ネガティブリスト方式採用、インドネシア側には透明性向上のための3年移行期間。発効3年後のオファー改善見直しも規定 。international

金融サービス: 独立章として、市場アクセス・内外無差別・最恵国待遇に加え、強固なプルーデンシャル例外(金融安定確保のための裁量)を明記 。international

電子商取引: 越境データ流通、データローカライゼーション規律、ソースコード開示、オープンガバメントデータ、個人情報保護等を含み、デジタル貿易の予見可能性向上を図る 。international

政府調達: 透明性・協力等の手続き規律を整備し、将来の市場アクセス拡大に向けた交渉条項を含む 。international

国有企業(SOE): インドネシアにとって初の包括的SOE規律(無差別・商業的考慮・規制の中立性・透明性等)を導入 。international

労働・環境: 水準引き下げ競争防止、気候・生物多様性・プラスチック等の課題への取り組み、責任ある企業行動を盛り込み 。international

優先課題の二国間対話

重要鉱物: 高いESG基準の下で供給網強靭化・技術協力を推進 。international

SPS(衛生植物検疫): カナダ産牛肉とインドネシア産ツバメの巣の市場アクセス課題解消に向けた覚書を活用 。international

紛争解決: 透明性の高い国家間紛争解決(当事者提出、審理、最終報告の公開等)。international

有望セクター(公表情報ベース)

カナダ側有望品目(対インドネシア): 小麦、カリ(肥料)、木材、大豆等—完全実施で価格競争力が向上 。pm

インドネシア側有望品目(対カナダ): 繊維・履物・家具・加工食品・軽電機・自動車部材・ツバメの巣等。6,500超のタリフラインが優遇対象 。xinhuanet

企業実務対応チェックリスト

  1. HSコード特定: 主要SKUのHS6桁〜10桁を確定し、CEPA関税スケジュール(附属書)に照合。段階削減の年次率と即時撤廃判定を準備
  2. 原産地要件(PSR)リスク評価: 自社の部材構成・工程で原産資格を満たせるかを検証。累積条項の活用余地も試算
  3. 原産地管理プロセス整備: 証明書式/自己証明の可否、保存期間、検認対応を社内規程・システムに組み込み
  4. 通関・物流見直し: 発効後の申告手順・原産地申告文言・事前教示の取得計画を立案
  5. サービス・投資規制確認: インドネシア側ネガティブリストの参入制限・外資比率・現地要件を精査
  6. データ・IT対応: 越境データ移転・ローカライゼーション規律に適合するクラウド/拠点設計を検討
  7. 重要鉱物・SPS案件化: 鉱物・食品関連企業は二国間対話を活用し、規制・承認の前倒しを狙うinternational

よくある質問

Q1. いつから特恵税率を使えますか?
A. 発効(2026年)以降です。発効日前の出荷には適用されません 。pm

Q2. 自社品目が即時0%になるか知りたい
A. HSコード別の撤廃・削減スケジュールを確認する必要があります。正式な附属書に基づき判定してください 。international

Q3. 原産地証明は誰が作成しますか?
A. 原産地手続き章に証明・保存・検認・事前教示等の運用が規定されています。自社の役割分担に応じた体制整備が必要です 。international

Q4. セーフガードやAD/CVDは?
A. WTOの権利義務を再確認しており、アンチダンピング・相殺関税・グローバルセーフガードの枠組みは維持されます 。international

追加の注目点

安全保障・経済の包括連携: 署名当日、防衛協力協定など複数のMoUも同時締結。サプライチェーン(重要鉱物等)や人材協力の観点で、民間案件への波及可能性 。pm

数値の解釈: 90.5%(カナダ)と85.8%(インドネシア)は、それぞれ関税撤廃対象と自由化対象(ヘディング単位)で、母数・単位が異なるため単純比較は不適切 。setkab

参考資料

  1. https://www.pm.gc.ca/en/news/news-releases/2025/09/24/prime-minister-carney-announces-new-trade-agreement-indonesia-canadas
  2. https://www.international.gc.ca/trade-commerce/trade-agreements-accords-commerciaux/agr-acc/indonesia-indonesie/cepa-apeg/background-contexte.aspx?lang=eng
  3. http://www.xinhuanet.com/english/asiapacific/20250925/0626b5c9037a40bfa3be41f522915e87/c.html
  4. https://setkab.go.id/en/indonesia-canada-sign-agreements-on-trade-defense-business/
  5. https://www.international.gc.ca/trade-commerce/trade-agreements-accords-commerciaux/agr-acc/indonesia-indonesie/cepa-apeg/summary-negotiated-resume-negociations.aspx?lang=eng
  6. https://search.open.canada.ca/qpnotes/record/dfatd-maecd,00014-2025
  7. https://voi.id/ja/news/518008
  8. https://www.idnfinancials.com/jp/news/57461/signs-ica-cepa-indonesia-becomes-canadas-first-asean-partner?sl=jp
  9. https://www.thebusinesscouncil.ca/publication/bcc-and-kadin-indonesia-sign-mou/
  10. https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/07/e4c84586ae7275ed.html
  11. https://www.reuters.com/world/americas/canada-boost-indonesia-exports-diversify-non-us-trade-says-minister-2025-09-24/
  12. https://www.canada.ca/en/global-affairs/news/2025/09/minister-sidhu-meets-with-indonesias-minister-of-trade.html
  13. https://jp.reuters.com/business/XHGKBECGIVMORHZE63E5L3PMUY-2025-09-25/
  14. https://www.fibre2fashion.com/news/textile-news/canadian-pm-announces-new-trade-agreement-with-indonesia-305483-newsdetails.htm
  15. https://www.pm.gc.ca/en/news/statements/2025/09/24/joint-statement-bilateral-meeting-between-prime-minister-canada-mark-carney
  16. https://www.nna.jp/news/2843591
  17. https://news.yahoo.co.jp/articles/ec6a7ce4f22d07de22725942ff5ec8f5c58bc706/images/000
  18. https://www.newsweekjapan.jp/headlines/business/2025/09/571486.php
  19. https://voi.id/ja/amp/517883
  20. https://www.jetro.go.jp/biznewstop/biznews/asia/idn/wto-fta/
  21. https://www.cbp.gov/sites/default/files/2025-08/20250820_tariff_factsheet_0.pdf
  22. https://search.open.canada.ca/qpnotes/record/dfatd-maecd,00010-2025
  23. https://www.dfat.gov.au/trade/agreements/in-force/iacepa/iacepa-text/Pages/iacepa-annex-2-a-schedules-of-tariff-commitments
  24. https://www.bilaterals.org/?indonesia-finalizes-first-north
  25. https://catts.eu/preferential-trade-updates-august-2025/
  26. https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/00207020251340090
  27. https://www.cbsa-asfc.gc.ca/trade-commerce/tariff-tarif/2025/html/countries-pays-eng.html
  28. https://www.thejakartapost.com/business/2025/09/25/ri-canada-ink-trade-pact-amid-us-pressure.html
  29. https://policy.trade.ec.europa.eu/eu-trade-meetings-civil-society/csd-negotiations-comprehensive-economic-partnership-agreement-cepa-between-eu-and-indonesia-2025-09-16_en
  30. https://policy.trade.ec.europa.eu/eu-trade-relationships-country-and-region/countries-and-regions/indonesia/eu-indonesia-agreements/key-elements-eu-indonesia-trade-agreement-and-investment-protection-agreement_en
  31. https://www.cbsa-asfc.gc.ca/trade-commerce/tariff-tarif/2025/html/admin-eng.html