サプライチェーン・コンサルティング
全体を把握することから始まるSCM改革
「世界がいったいどうなっているか見えない。」有名な企業の社長のおっしゃった言葉です。
国内もそうですがグローバルに至っては全体をまず把握することが最適かつ機敏なSCM構築には必須です。
日本の企業は、全世界でのオペレーションを把握する仕組みを持ち合わせていないケースが多い。見えない状態でSCMを構築すれば、誤った戦略となります。
とある大手電機メーカーで、ベトナムに工場を移転させました。EUへの輸出で優遇税制が使えるからですが、結果として原産性を満たせなかった。ちゃんと調べればわかることをやらないと無駄なSCMとなりかねないのです。
更に、北米のアメリカ、カナダ、メキシコで構成されるNAFTAが新協定(USMCA)に変わりつつあり、その原産地規則がかなり日本企業にシビアなものになっています。
この協定(改訂)が発効されれば、日本企業のサプライチェーンには大打撃になることは必至。しかし、多くの日本企業はモデルの複雑さから、そのインパクトや可能性のある選択肢を詳細に分析、評価しあぐねています。
ロジスティックは、アライアンス企業と共に、その問題をサプライチェーン・モデルをコンピュータ上に構築し、可能性のあるシナリオと、できる限りの選択肢をシミュレーション。その中で定性的にもふさわしいサプライチェーン再構築の選択肢を企業が選択できるようにお手伝いしています。
特に、NAFTA(USMCA)はサプライチェーンの大幅変化が想定されるために、シミュレーション・モデルへの対応を強化。皆様の戦略立案にお役に立てるかと存じます。
また、とある自動車メーカーのグローバルモデルのラウンチを機会にアフター・パーツの全世界供給網の再構築プランをシミュレーション・モデルでご支援しました。
情報システムを活用したシミュレーションは、エクセルとは違い、より精度の高いシミュレーションを多くのシナリオ、及び戦略オプションで評価ができます。その点を企業に大きく評価頂いています。
ロジスティックでは、以下のプロセスで進めています。
1:SCMの現状を見通す全体モデルを構築する
-足らないデータは集める
2:提携しているシミュレーションツールで、オプションを絞り込む
3:「海外戦略構築・実行」でもあるように、専門家による定量、定性評価を行う
というプロセスで、SCM構築支援を行っています。
1:SCMの現状を見通す全体モデルを構築する
まずは全体像を把握し、それをSCMモデル化します。
足らないデータもありますが、それはできるだけ調査で補います。全体が見えるとどういったところに問題があるか、どのように解決していけばいいかがわかります。
ロジスティックでは、そのデータを提携しているSCMシミュレーション・ツールを用いて、後のシミュレーションのために現状のSCMをモデル化します。
2:シミュレーションツールで、オプションを絞り込む
1で作ったSCMモデルを用い、考えられる今後のシナリオ、オプションを元にそのSCMがどのような振る舞いを見せるかをツールによるシミュレーションで算出します。
グローバル戦略は全体像が見えないが見えないが故に、社内の議論も客観性に欠けることが多いですが、議論のベースとなる数値があれば、地に着いた形で議論が進みます。
過去の事例では、タイから南米への商品供給が増えてきたため、どこにパブ拠点を設けるかという議論をお手伝いしました。シミュレーションツールを用い、具体的な将来の物量を算出。その結果を基に、「主体はタイから南米各国へのコンテナ直行。」という結論に至りました。議論の共通の土台を持つことの意味合いがここにあります。
3:専門家による定量、定性評価
2で定量的な評価が出ますが、実際の業務は、税務、法務、労務、物流、カントリーリスクなどのリスクなどで、シミュレーション通りになるとは限りません。
ロジスティックでは、各分野の専門家のチームを構成し、そのシミュレーションの定量的な部分の修正、そして定性的な部分の評価を支援します。
定量的に把握し、できるだけ定性面も明らかにした上で、経営者が判断できるようにする。これが我々の使命と考えています。
- 以下は、SCMコンサルティングの一例です
- 自動車メーカー 販売予測に基づく補給部品供給の全世界最適化
- 自動車メーカー 南アフリカにおける補給部品サプライチェーン構築
- 電機メーカー グローバルSCM:FTA動向と他社ベンチマーキング
- 食品メーカー 国内サプライチェーン・シミュレーションツールの開発
- 医薬品卸 物流拠点統廃合シミュレーション