FTAに関するサプライヤー説明会: メーカーの要望の問題点

私の顧客のところでサプライヤー様向けのFTA説明会を開きました。

目的は、企業と同じレベルの原産地証明をしてもらうことにあります。企業が原産地証明の品質を向上させたところで、サプライヤーの証明(サプライヤー証明や同意通知)が駄目でしたら、検認の際に大きな問題になります。

できるだけわかりやすい説明会とその後のフォローが大切であることを過去の経験から痛感しており、今回もその経験を生かして行ったつもりです。そうしないとちゃんとした証明を行ってもらえないことが多いためです。

一方、このお客様には多くの納品先から、サプライヤー証明や同意通知をもらうべく、「データを下さい」的な要望が来ます。

彼らが要求している情報だけでは不十分なことが多いと感じます。これにより原産地証明が出来ていると考えている企業が多いことは正直怖いことです。

日頃、サプライヤーの原産地証明に関する認識を上げることが必要と感じていますが、その阻害要因になっているものの一つは、サプライヤーの顧客にもあるのです。

FTA、「うちは輸出していないから」という理由が通じない時代に

最近の相談で多いのが、商品のサプライヤーの規模が小さく、輸出も全くしていない場合のFTA原産地証明取得のケース。

輸出なんて全くしていないサプライヤーなのだが、それを購入した商社など企業が海外に販売することで、結果として商品が輸出されている場合が増えてきた。

その際にFTAを活用したい商社など企業が原産地証明をとることに四苦八苦している。サプライヤーが、対応できないからだ。

小さい企業には、確かにFTAだの、原産地証明だの、同意通知だの、ちんぷんかんぷんだろう。

そういった場合にどうやって説得させて、彼らサプライヤーに証明をさせるか。

本当に一苦労である。

たいていの場合は、「EPA相談デスクにお誘いされたらどうですか。」と言うようにしている。ちゃんと説明を聞けば、わかるものである。

サプライヤーの皆さん、そうされては?