第28回GEFセミナー「TPPと日EU EPAから見えてきた日本企業の課題」を大阪で開催します

GEFとして2月以降久しぶりのセミナーです。

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TPP11、日EUが発効し、4か月以上が経ちました。

FTAに対しての関心が高まり、活用が進む一方、新たな課題も表面化してきました。

Global Edge Forumでは,’TPPと日EU EPAから見えてきた日本企業の課題’と題してセミナーを大阪にて行います.

今回は日立ソリューションズ株式会社と共同でのセミナーとなります。

一般のセミナーでは語られることのない、FTA活用でのポイントをお話しすることで、きっと皆様のお役に立つと思っております。

      記

日時: 2019年6月24日(月) 14:00~17:00

場所: 大阪(大阪市北区堂島浜一丁目2番1号 新ダイビル)
・今回はLive配信はございません

講演: 「TPPと日EU EPAから見えてきた日本企業の課題
・株式会社ロジスティック 代表取締役 嶋 正和
FTAソリューションについて
・株式会社日立ソリューションズ

費用:  無料

詳細、申し込みはこちらから

FTA原産地証明におけるリスクとその減らし方

最近、サプライヤ証明のリスクを感じることが多くあります。

依頼する側の認識不足は問題でありますが、サプライヤ証明を行うサプライヤの証明品質に依存するのはリスクが多くあることを痛感します。

FTAへの認識も広がっているとはいえ、残念ながらサプライヤが正しい認識をしているかと言えば、まだまだの状況だと言わざるを得ません。

証明書に捺印をするだけでいい、証拠はいらないという姿勢のサプライヤも少なくないのです。

このサプライヤ証明以外にも、証明上のリスクがいくつか存在します。日EU、TPP11と広がり、今後RCEP、アメリカがやってくると、証明業務量が飛躍的に増えるでしょう。それ以外にも検認数も増えてくるでしょうから、FTAの担当者は休まる暇がありません。海外間FTAの本社対応も仕事になると想像されます。

この環境下で実施すべきは、証明をいかに効率的にかつリスクを減らすかを考えることが肝心だと思い、コンサルティングのメインテーマにしています。特にサプライヤ証明の数を減らすこと、そして、実施する会社とは十分な情報共有を行うことが肝心ですね。

 

なぜFTAの原産地証明が企業に根付かないか

FTAのコンサルティングを行っていて、企業に原産地証明がなかなか根付かないと思っています。

一番の大きな理由は企業の取り組み姿勢にあると思いますが、その次の課題は教える側の教え方にあると思っています。

経済産業省、外務省、財務省(税関)、ジェトロ、商工会議所、EPAデスク、みんな頑張ってわかりやすい説明を心がけているのは事実でしょう。資料も昔に比べて読みやすくなっています。

しかし、根付かない。企業が真剣に取り組んでいないからだといえばそれまでですが、最近特に感じているのは、原産地証明の教え方だと思うようになりました。

学校の勉強も同様ですが、わかりやすさを進めるが故に、なぜそうするべきかということを企業側に理解させていないのです。「こう書きましょう」、「こうしなさい」といったすべきことをわかりやすくは伝えているのですが、その背景にある「なぜそうするべきか」を伝えきっていない。

EPAデスクの対面相談員を担当していますが、「○○にこう言われましたが、よくわかりません。」という質問が最近特に増えています。

企業側は、「これをやれ」ということを丁寧に教えてもらっているのですが、応用が利かず、結果絶えず「どうすればいいのですか。」という疑問しか持っていません。明らかに応え待ちの姿勢で、何がいいのかがわかっていません。

原産地証明で、証明をするにはその背景があります。その背景を伝えれば、何が必要で何が必要でないかが自ずからわかります。その背景なしに「こうしましょう」という指導だからちょっとした変化球に追いつかないのです。

原産地証明のワークショップも増えましたが、例題の限界から、どうしても配布された資料の証明書類への転記で終始します。参加者もそのときは作った気持ちになりますが、気持ちだけで、いざ実際に行おうとするとわからず、戸惑うのです。

「検認にはこれで十分ですか。」という質問をよく受けます。そんなものありません。むしろ、必要なのは「これで原産性は証明できているだろう。なんか問題でも?」という、言い切れる企業による理屈と意思が一番大切です。それがなければ、何でも回答できるように、事細かくすべてのデータを用意する羽目になるのです。

企業がこの姿勢を持つには根本の背景を徹底的に理解させることが必要です。当社ではワークショップの内容を改め、根本の背景を理解してもらうことに努めています。

 

FTA対応が常態化する前の対策

日EU EPAの利用もいよいよ本格化してきました。

後に控えるRCEPや日米貿易交渉の結果で、更に米中が日本とのFTAもしくはそれに準じる協定を結べば、日本の貿易金額上で、80%はFTA関連国への輸出となります。

FTAにおける原産地証明の業務はその検認対策と相まって業務量が飛躍的に増大することになりそうです。

顧客との対策プロジェクトが複数本格的に立ち上がりました。

いかにして増大する業務量に効率的に対処し、かつコンプライアンスを維持するか。

会社の経営陣も理解を示していますので、とてもエキサイティングなプロジェクトになりそうです。

会社が大きくなると、やはり問題解決は難しくなるようです

昨日、FTAの監査報告を行いに、とある企業へ伺いました。

物流部が事業体のFTA支援をしている大きな会社なのですが、担当者が頑張っている中で、どうも、その部門の長ほかは関心がないようです。

FTAはサプライチェーンと同じで、部門間連携を取ることを求められますが、大企業では、個人は自分の領域にのみ関心があり、連携をとることに関心がないようです。

現実的には、この会社の原産証明は問題だらけです。今後のFTAの進展や、自己証明での体制では不安しかないと言っていい。

プレゼンテーションに対しても、部門の長含め管理職は感心のない姿勢で聞いていますし、部門調整を担当者に指示している。本来は長の仕事ではないかと思うのですが。担当者でできるなら、上長は要らないでしょう。

当方も監査報告は営業の場でもあるので、「当方でしたらこのようなコンサルティングサービスで問題解決のお手伝いができます」という提案をします。

部長はプレゼンが終わるや、「コンサルティングはサスペンド(発注しない)するとして・・・」といきなり当の私のいる前での発言。当然、当方の提案を受けるかどうかは先方の決断ですし、自由なのですが、メンバー間や当方との意見交換もなくこの言葉を私の前でいきなり発するのもどうかと。形だけでも「検討します」と言えば角は立たないのに。部長とは初対面なので、嫌われることはしていないはずですが・・・

先方のマナーはさておき、組織問題はやはり根深いものがあると同時に、結果的に自己証明における対応がばらばらのまま、進まざるを得ないのでしょうね。かなりのリスクをしょっているのですが、それが現実化しないと動かないのかもしれません。

担当者は「本当になんとか変えたい」と思っているようなのですが、声が届かないようです。

第三者証明における商工会議所での所要時間は長くなっているのか

本日、とある商社から、「商工会議所でのEPA原産地判定の所要時間が長くなっていて困っている。他にも同様の事態は起こっているのか」との電話がありました。

全ての案件において、原産地判定の証拠書類の提出義務がなされてから、判定までにとても長い時間がかかり、2週間では終わらないことが多くなったそうです。

FTA戦略的活用研究会でも判定に時間がかかったかどうかを訪ねたところ、長くなったという声もある一方で、既に1週間以上かかっていたので、現実的にはさほど問題とはなっていないという声も上がっています。

「どういう対策を練るべきですか」との質問を受けましたが、こればっかりは商工会議所の処理のバックオーダーが尋常ではない数になっていることから、「輸出に対し、ゆとりを持って申請をするしかない」と言うことしか当方は言えません。

日本企業の証明の品質問題もさることながら、余りにも細すぎる指摘を商工会議所が行うことも課題だと思っています。

FTAが使いたくてもこの環境では使えなくなりつつある事実。「企業に責任がある」のなら、官庁・商工会議所は不介入とすべきです。

TPP11、日EU EPAが発効して2ヶ月以上が経ちました

原産地証明、宣誓書の運用方法でいろいろなことが見えてきましたね。

検認の確率の高さから慎重な適用に慎重な企業も多くあります。

今後、検認事例も出てくるでしょう。確実な申請を果たすために、企業の対応方法をとりまとめ、コンサルティング活動に反映させていこうと思います。

ガンビアが国内批准を終え、AfCFTAは発効準備が整いました

52カ国が署名したアフリカ、いえ、国数では世界最大のAfCFTAの発効条件が整いました。ガンビアが国内批准を終えたために、批准国が22カ国となったためです。

AfCFTAは昨年の同時期に署名を終えています。発効条件に到達するのに1年かかりました。

素晴らしいことです。

 

YouTube によるFTA活用講座の専門編の新しいパートをアップしました。21-1続 輸出商品のHSコード確認

YouTube によるFTA活用講座の専門編の新しいパートをアップしました。

21-1続 輸出商品のHSコード確認

21-1の専門編 HSコードについての続編です。今回は輸出産品のHSコードの決め方に関してお話しします。

このHSコードで税率も決まりますし、原産地規則も決まります。大変重要な作業となります。

 

チャンネル登録をお願いしますね。

FTA活用講座:オンライン講座リスト

 

第31回FTA戦略的活用研究会を行いました

第31回FTA戦略的活用研究会を行いました。

テーマは、「日EU・EPA、TPP11の実務運用と課題」でメンバー企業による情報交換及び各省庁のコメントを頂戴する会です。それと別に1者の会社のFTA活用事例発表がありました。

このタイプの意見交換会は様々な意見が出るため、どうしても時間が足りなくなります。

実際に足りなくなりました。

生産者による宣誓書の取り扱いや、宣誓文の商標文書への添付方法、様々な内容が出ました。

研究会メンバーには、改めて、そのチーム討議発表と意見交換のパート(約1時間)をメンバー限定でアップしますので、見逃された方、確認されたい方はご覧下さい。

リンクは別途メールでお知らせします。

・ Live配信のアドレスとは違います。